高配当利回り銘柄の「配当政策」を片っ端からチェックしてみた

配当金狙いの投資をするなら配当利回りの高さはもちろんのこと、

  • できるだけ減配リスクが少ない
  • 配当に意欲的
  • 増配の可能性が高い

といった部分にも注目する必要があります。

しかし、配当も含む株主還元の方針はPERや時価総額のようにシンプルな数値ではないため、機械的なスクリーニングが困難です。

各社の動向を比較しようと思ったら、1社ずつ地道に公式サイトや公開されている資料等で確認していくしかありません。

それでも、配当金投資をする上で一度はやっておいた方がいいかな…ということで、12月21日時点の配当利回りが高い順に、片っ端から株主還元の方針を確認することにしました。

さすがに資料をすべてチェックするのは大変そうだったため、有価証券報告書の「配当政策」だけに注目しました。

例えばJTの「配当政策」はこんな感じです。

必ずしも「配当政策」にすべてが書かれているわけではありませんが、配当に対する意識の違いみたいなものは読み取れるはずです。

高配当利回り銘柄の「配当政策」

各銘柄の配当政策は配当利回り順で以下の記事にまとめてあります。

配当政策チェックで気になった銘柄

表現に注目した銘柄

【2914】JT(配当利回り5.59%)

株主還元方針につきましては、積極的な事業投資を継続しながらも、起こり得る環境変化にも対応できる強固な財務基盤を維持しつつ、中長期の利益成長に応じた株主還元の向上を図ってまいります。具体的には、1株当たり配当金について、安定的・継続的な成長を目指してまいります。自己株式の取得につきましては、事業環境や財務状況の中期的な見通し等を踏まえて、実施の是非を検討することといたします。なお、引き続きグローバルFMCGの還元動向もモニタリングしてまいります。

「1株当たり配当金について、安定的・継続的な成長」という表現が心強いです。

「安定配当」という表現を用いている企業は多いですが、「安定配当」に具体的な基準はありません。減配していても「これなら十分に安定配当です」と言われてしまえばそれまでです。

その点、「配当金の安定的・継続的な成長」という表現であれば、安定や継続という言葉が”成長”にかかっていますから、そもそも成長が前提であることが分かります。

つまり、配当の成長(=増配)の度合いが安定的・継続的ということなのでしょう。

都合の良い解釈ではありますが、それでも他銘柄より期待できる配当政策と言えます。

参考:JT(日本たばこ産業)【2914】は「買い」なのか

【8892】日本エスコン(配当利回り4.95%)

当社は株主の皆様に対する利益還元を経営の重要課題の一つと考え、業績の状況、内部留保の充実並びに配当性向等を総合的に勘案・決定し、継続的かつ企業の成長力に応じた安定的な利益還元に努めることを基本方針といたしております。第2次中期経営計画期間内(平成29年12月期から平成31年12月期)の1株当たり配当額(DPS)は、累進的配当政策を導入し、前年度のDPSを下限として、配当額維持もしくは業績進展により増配のどちらか(原則として「減配しない」)

原則として減配しないという累進的配当政策を導入している数少ない企業です。

ただし永久というわけではなく「第2次中期経営計画期間内(平成29年12月期から平成31年12月期)」という期限付きなので、その点は注意が必要です。

【8316】三井住友フィナンシャルグループ(配当利回り4.63%)

当社は、健全性確保、株主還元強化、成長投資をバランスよく実現し、持続的な株主価値の向上を図ることを資本政策の基本方針とし、配当は持続的な利益成長を勘案し累進的に行うものとし、配当性向は次期中期経営計画期間中を目処に40%を目指す方針としております。なお、累進的配当とは、減配せず、配当維持もしくは増配を実施することであります。

こちらも累進的な配当を掲げている銘柄です。

先ほどの日本エスコンのように期間限定というわけでもありません。

現在の配当利回りが満足のいくラインで、かつ株価が下落しても気にしないのであれば配当狙いで買う価値はあると思います。

参考:三井住友フィナンシャルグループ【8316】は「買い」なのか

【8001】伊藤忠商事(配当利回り4.42%)

中期経営計画「Brand-newDeal2020」(2018年度から2020年度までの3ヵ年計画)における配当方針は、現行の「業績連動・累進型(注)」の配当フォーミュラを継続します。2018年度(平成30年度)の1株当たりの配当金は74円を下限とし、当中期経営計画期間中は、毎期、当社史上最高となる配当額の更新を目指します

中期経営計画期間中は毎期の増配が期待できる文面となっています。

ただし、中期経営計画期間が終わった後にどうなるかは分かりません。

配当の目安にDOEを用いている銘柄

DOEとは自己資本配当率のことで、自己資本のうちどの程度を配当に回しているかという指標です。

配当額の決定に配当性向を用いている場合は短期間の業績に配当額が左右されやすいですが、DOEを用いていると配当額が比較的安定します。

参考:配当金投資に向いている配当政策指標はDOEだと思う理由

このDOEを配当の目安に用いている銘柄をピックアップしました。

【7837】アールシーコア(配当利回り5.01%)

当社は、配当を含めた利益還元につきまして、重要な経営課題として認識しております。株主の皆様に当社株式を長期的に保有いただくために、連結純資産配当率(DOE)を重視した「長期的な視点での安定的配当」を利益還元の柱とするとともに、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保の確保にも配慮していく考えであります。

【2760】東京エレクトロン デバイス(配当利回り4.87%)

これまで当社グループでは資本政策の基本方針としてバランスのとれた最適な資本構成のもと、継続的に企業価値を向上させる旨を定め、また、株主還元方針としては継続的かつ安定的な配当実施の観点を踏まえ、配当性向の目安は親会社株主に帰属する当期純利益の50%以上、かつ、資本効率を示すROE(株主資本利益率)と連動するDOE(株主資本配当率)は2.5%を下限としてまいりました。

【1941】中電工(配当利回り4.59%)

持続的・安定的なより高水準の配当を行うことを重視し、DOE(連結株主資本配当率)2.5%を目処に配当を行う配当方針としている。後の利益配分については、業績見通しや財務状況等を総合的に勘案し、更なる株主還元の充実を図るため、第103期より配当方針を一部変更する。具体的には配当方針のDOE(連結株主資本配当率)を「2.5%を目処」から「2.7%を目処」に引き上げる。

【1982】日比谷総合設備(配当利回り4.57%)

当社は、株主への利益還元を経営の重要課題と位置付け、より安定的な株主還元実施の観点から、連結ベースでの純資産配当率(DOE)に着目した配当を実施しており、当期の期末配当金につきましては、1株につき30円となります。

【7480】スズデン(配当利回り4.43%)

配当につきましては、配当性向を50%とした場合の配当総額と純資産配当率(DOE)を3%とした場合の配当総額のうち、いずれか高い値を配当総額の基準として、各事業年度の利益状況や将来の事業展開等を総合的に勘案し、配当を行うことを基本方針として、中間配当及び期末配当の年2回を基本としております。

【3571】ソトー(配当利回り4.39%)

株主還元につきましては、安定的・継続的な配当を目指してDOE(連結純資産配当率)3.5%を目標といたします。

【9744】メイテック(配当利回り4.07%)

利益配分に関する当社の基本的な考え方は業績に基づいた成果配分です。中長期的に株主還元の最大化を目指す観点から、大型の資金需要が予定されていない場合、配当及び自己株式取得による株主還元額は総還元性向100%以内を原則といたします。配当については配当性向を50%以上とし、中間配当・期末配当の年2回実施いたします。なお、配当の最低水準は連結株主資本配当率(DOE)5%といたします。

【4617】中国塗料(配当利回り3.83%)

平成30年4月を始期とする中期経営計画では、積極的な株主還元を進める方針の下、自己資本配当率(DOE)3%かつ連結配当性向30%を下回らない配当を行うこととしており、当事業年度の期末配当につきましては、その移行期として1株につき19円の配当としております。

【3943】大石産業(配当利回り3.8%)

当社グループは、生産性の向上等による利益体質の強化を図りながら、将来の事業展開に備えた内部留保を確保しつつ、連結純資産配当率(DOE)1.5%以上を目安に、安定的に配当を実施する方針としております。

配当政策チェックで引っかからなかったけど注目している銘柄

有価証券報告書の「配当政策」ではピンとくる表現がなくとも、他の資料を読むと配当を含む株主還元に積極的かどうかが分かる場合もあります。

例えば【9437】NTTドコモ2018年12月4日のオンライン会社説明会の資料を見ると、これまでに安定的に増配を繰り返してきたことが強調されています。

例えば【8766】東京海上ホールディングス統合レポート2018を見ると、将来のグループ増に向けてやはり増配をしていく意図が見受けられます。

こういった銘柄は公開されている資料を地道に探して目を通していくほかありませんね。

最後に

配当政策にいい感じのことが書いてあったからといって今後も100%安泰というわけではありません。

また、NTTドコモや東京海上ホールディングスのように別の資料にそれっぽいことが書いてあればいいというわけでもありません。

最終的には業種や業績、今後などを総合的に考えて売買の判断をする必要があります。