【配当性向 vs DOE】配当金投資に向いている配当政策指標はDOEだと思う理由

配当政策(株主への利益還元方針)の指標にDOE(自己資本配当率)を掲げている企業があります。

配当性向を掲げる企業はよく見かけますが、DOEを指標にしている企業はまだ少ないように思います。

しかしこのDOEという指標、協和エクシオを調べている時に見かけて考えたのですが、配当金投資をする上ではけっこうイケてる指標なのではないかと。

なぜなら配当額が一時的な業績(当期純利益)に左右されにくいからです。

DOE(自己資本配当率)とは

DOE:自己資本配当率=配当総額÷自己資本

分母を自己資本ではなく純資産として解説している記事もあるようですが、大切なのは分母を構成するものの大部分が「資本金+資本準備金+利益剰余金」ということです。

そしてそれらのうちどの程度を配当金に回すか、というのがDOEの意味するところです。

ちなみに、DOE=ROE×配当性向 と分解することもできますが、逆に分かりづらくなる気がするのでこの分解は好きではありません。

単純に、自己資本(≒純資産)の中から配当金として還元する割合として考えた方が分かりやすいです。

なぜDOEが配当金投資に向いているのか

DOEが配当金投資に向いていると思う理由、それは配当額が一時的な利益の増減に左右されにくいからです。

先日調べた協和エクシオを例に考えていきましょう。協和エクシオは株主還元の一環として、配当水準をDOE3.5%目途としています。

利益が出ていれば純資産は増えていく

まずは基本的なところを確認しておきます。

当期末の純資産は、前期末の純資産に当期純利益を加えた金額とだいたい同じになります。

項目 金額(億円)
’17/3期末の純資産 1,582
’18/3期の当期純利益 179
’18/3期末の純資産 1,761

数字は協和エクシオの2018年3月期決算短信より

実際には配当金を支払ったりなんだりでピッタリ一致することはありませんが、感覚的にはこの解釈で良いと思います。

つまり、堅実に利益を積み重ねている企業においては、基本的に純資産が増えていくということです。

配当性向 vs DOE

上記の例において、配当性向30%であれば配当総額は179億円×30%=53.7億円です。

一方、DOE3%で計算した場合の配当総額は1761億円×3%=52.8億円です。

  • 配当性向30%…53.7億円
  • DOE3%…52.8億円

と、この段階では配当総額にそこまで差はありません。

では次に、来期の業績によってこの配当総額がどう変化するのか見てみましょう。

ケース 配当性向30%の
配当総額(億円)
DOE3%の
配当総額(億円)
’19/3期の利益がゼロ 0 51.2
’19/3期の利益が前期並み 53.7 56.6
’19/3期の利益が前期の2倍 107.4 61.9

配当性向

配当性向30%の方は分かりやすいですね。

利益が0なら配当金は一切出ません。逆に利益が倍になれば配当金も倍になります。

DOE

一方、DOE3%の場合はどうでしょうか。

利益が0だったとしても純資産は前期分の配当金の支払いで減ったくらいなので、配当総額もそこまで減りません。

前期並みの利益だった場合は、純資産がその分増えるので配当総額は前期よりもやや増えます。

利益が倍になれば配当総額は増えますが、配当性向30%にはかないませんね。

要するに、DOEは利益の増減の影響を受けづらいのです。

業績安定かつDOE目途を掲げる企業が狙い目か

配当政策にDOEを用いていたとしても、さすがに赤字続きとなっては厳しいものがあります。

しかし、そもそも配当金投資をするなら業績が安定している(少なくとも赤字ではない)ことは最低ラインの条件ですから問題ありません。

そして配当金以上の利益さえ出せていれば、たとえ減益になったとしても理論的には増配になるはずです(その意味では配当性向も見ておきたい指標の1つです)。

配当金投資においては、安定して配当金を受け取れるということが何よりも重要です。

ですので、DOEは銘柄選びをする上でイケてる指標なのではないかと思うわけです。

ただし、掲げているDOE自体を変更されてしまうというリスクは忘れてはいけません。

減益でも大丈夫と思っていたらDOE目途を下方修正…なんてことになっては減配は免れないでしょう。

そういう事例が実際にあったのかどうかまでは確認できていませんが、DOE目途を掲げているから安心、というわけではない点には注意が必要です。

DOE銘柄

DOE銘柄の探し方

私は有報キャッチャーで「DOE」(※全角)で検索して、出てきたものを順番にチェックしていきました。

他にもっと良い方法があったら知りたいです。

DOE銘柄一覧(確認できた分のみ)

配当政策の指標にDOEを用いている銘柄の一覧です。

ただし、探し方の問題もあっておそらく全部は拾えていないと思います。

それでもないよりはマシかなということで…。

コード 名称 利益還元方針 配当利回り
(2018/6/6時点)
1941 中電工 DOE2.7%目途 3.48%
1969 高砂熱学工業 連結配当性向30%%を配当の基準とし、かつDOE2%を下限 2.45%
2117 日新製糖 連結配当性向60%またはDOE3%のいずれか高い額 3.23%
2130 メンバーズ DOE5%程度 0.94%
2784 アルフレッサホールディングス DOE2%以上を目途 1.75%
2815 アリアケジャパン DOE3% 0.68%
3454 ファーストブラザーズ DOE2%を目安 1.23%
3571 ソトー DOE3.5%目標 3.85%
3676 ハーツユナイテッドグループ DOE7%程度 0.81%
3857 ラック DOE5% 1.32%
3943 大石産業 DOE1.5%以上 2.57%
4204 積水化学工業 連結配当性向30%を目処としつつ、DOE3%程度 2.29%
4507 塩野義製薬 DOE4%以上 1.56%
4617 中国塗料 DOE3%かつ連結配当性向30%以上 3.33%
4751 サイバーエージェント DOE5%以上 0.54%
4921 ファンケル 連結配当性向40%程度、DOE5%程度 1.13%
5706 三井金属鉱業 連結配当性向20%を目処、DOE2.5%を目処 1.78%
6143 ソディック DOE2% 2.13%
6616 トレックス・セミコンダクター 連結配当性向20%以上 、DOE3%程度を目安 2.39%
6645 オムロン 配当性向30%程度、DOE3%程度を目安 1.60%
7242 KYB 連結配当性向30%を目指しつつ、DOE2%以上 2.82%
7480 スズデン 配当性向50%またはDOE3%のいずれか高い額 3.06%
7832 バンダイナムコホールディングス DOE2%をベースに、総還元性向50%以上を目標 0.78%
8624 いちよし証券 連結配当性向50%程度またはDOE2%程度のいずれか高い額
8698 マネックスグループ DOE2%を下限
8706 極東証券 連結配当性向50%以上またはDOE2%以上のいずれか高い額
8709 インヴァスト証券 連結配当性向30%またはDOE2%
8945 日本社宅サービス 連結配当性向30%以上、DOE3.5%以上目標 2.22%
9201 日本航空 DOE3%以上 2.60%
9837 モリト DOE1.5%維持、配当性向50%以上を基準 2.43%

気になる銘柄があったら詳しく調べてみてください。