協和エクシオ【1951】の同業3社買収(経営統合)は「買い」なのか考えてみた

2018年5月9日、協和エクシオ【1951】は同業3社の買収(経営統合)を発表しました。

発表直後に協和エクシオの株価は急騰しましたが、その後ずるずると下落してきて5月25日の終値は2,872円となっています。

今のところ株価の方向性は定まっていないようなので、今回の経営統合を受けて株価はどうなるのか(つまるところ「買い」なのか)を素人ながらに考えてみようと思います。

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協和エクシオと、経営統合される3社について

協和エクシオ

協和エクシオは通信設備工事大手の企業です。

NTTグループからの受注が売上の約半分を占めていますが、近年は都市インフラ事業が堅調に推移してきています。

経営統合される3社

経営統合される3社は以下の通りです。

いずれも協和エクシオと同業です。

経営統合は株式交換で行われる

協和エクシオと3社との経営統合はいずれも株式交換契約(簡易株式交換)で行われます。

この3社との株式交換の効力発生日はいずれも2018年10月1日の予定となっています。

また、この株式交換に係る割当比率は以下の通りとなっています。

協和エクシオ 日本電通
1 1.86
協和エクシオ 西部電気工業
1 1.29
協和エクシオ シーキューブ
1 0.31

統合される3社の「自己株式を除く普通株式」に対して交付する協和エクシオの株式は、いずれも協和エクシオが保有する自己株式を充当する予定となっていて、新株式の発行は行わない予定となっています。

株価はどうなるのか

本題はここからですね。

普通はどうやって考えていくのかがよく分かっていないので手探り感がすごいですが、お付き合いいただければと思います。

株式数の変化

まず、統合される3社の株主に対して、協和エクシオの自己株式が割当比率に応じて割り当てられます。

これにより、協和エクシオ単独で見れば1株当たり利益や1株当たり配当金が押し下げられることになります。

項目 株式数 比率
協和エクシオ
統合前の普通株式
(自己株式を除く)
95,762,967
日本電通への割当 3,984,385 4.16%
西部電気工業への割当 5,710,688 5.96%
シーキューブへの割当 8,255,389 8.62%
協和エクシオ
統合後の普通株式
(自己株式を除く)
113,545,062 118.74%

※株式数はいずれも2018年5月9日の開示資料を元にしています。

計算結果から、実質的に株式が約19%ほど増加することになり、1株当たり利益や1株当たり配当金は約16%(=1 – 1÷1.187)ほど減少することになります。

ただし、協和エクシオは今回の経営統合の発表と同時に「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」も開示しています(120万株あるいは取得価額30億円が上限)。

120万株を取得した場合、株式数が1%ほど減少(統合後の株式数ベース)することになります。

業績の変化

協和エクシオの2018年3月期決算短信にある2019年3月期の連結業績予想には、まだ今回の経営統合の影響が加味されていません

そこで、統合される3社の2019年3月期の業績予想を加味して考えてみましょう。

…といっても、統合される3社は残念ながら業績予想を載せていないので、2018年3月期の数字を足してみることにします。

また、下期分だけ反映させてもあまり意味がないように思えるので、

  • 2020年3月期の業績予想ということにする
  • 協和エクシオは2019年3月期の数字を使用
  • 統合3社は2018年3月期の数字を使用

これでいってみようと思います。

売上高
(億円)
営業利益
(億円)
経常利益
(億円)
当期純利益
(億円)
協和エクシオ
通期予想
3,350 275 281 188
日本電通の分 378 10 11 7
西部電気工業の分 541 14 17 10
シーキューブの分 598 31 34 22
3社計 1,517 55 62 39
合計 4,867 330 343 227

かなり雑ですが、これで計算すると当期純利益の伸びが20%程度となります。

これでいくと株式の増加分が約19%なので、利益の伸びと合わせるとトントンくらいになりそうです。

とはいえ、私は経営統合によるシナジー効果で業績はもっと向上すると思っています。

上記の試算は最低ラインくらいのイメージでいます。

配当金の変化

協和エクシオの2019年3月期の配当金は計64円との増配予想が出ています。

しかしここにも経営統合分は加味されていません。

ですが、同じ資料にて「株主還元の強化」として

配当水準は、DOE3%目途から 3 .5%目途に引き上げ 、株主還元を強化

と書いています。

また、こんな記述もあります。

※ただし、経営統合後の期末配当については、2018年度第2四半期決算発表時に公表予定(4社合計の自己資本積み上げ分が加味された期末配当となる)

DOE:自己資本配当率=配当総額÷自己資本

というわけで、DOEの目途から配当金額を予想してみます。

その前に一応、過去の実績からDOEがどの程度だったのかを確認しておきます。自己資本の数字は純資産で代用しています。

純資産
(百万円)
配当総額
(百万円)
DOE
2017/3 158,280 4,389 2.77%
2018/3 176,101 4,786 2.72%

2017年3月期と2018年3月期はDOEの目途が3%でした。

それに対して実績は2.7%程度ですので、実績は目標の9割程度と考えておけば良いでしょう。

2019年3月期以降は3.5%目途となるため、それの9割ということで3.1%で考えていくことにします。

決算説明会資料にある協和エクシオのみの場合での配当予想64円(年間配当総額60.6億円)と「2018年3月期末の純資産+業績予想の当期純利益」からDOEを計算してみても3.1%となるので、この数字は妥当なラインだと思います。

それでは、協和エクシオおよび統合される3社の自己資本を単純に足していきます。

自己株式辺りもちゃんと計算した方がいいような気もしますが、疲れてきたので適当にいきます…。

数字は協和エクシオのみ「2018年3月期末の純資産+業績予想の当期純利益」で、統合3社は2018年3月期末のものを使用しています。

純資産(百万円)
協和エクシオ 194,901
日本電通 11,338
西部電気工業 29,625
シーキューブ 36,721
3社計 77,684
合計 272,585

そしてこの合計値272,585百万円に先ほどの3.1%を掛けて、統合後の普通株式数で割ってみれば1株当たり配当金額が算出できます。

その結果は 74.3円(=272,585百万円×3.1%÷113,545,062)となりました。

2019年3月期は下期分のみの影響ですので、期末配当は37円くらいになるのではないかと思います(年間配当は32円+37円=69円くらい?)。

そして2020年3月期は、業績が横ばいだったとしても年間配当が74.3円くらいになるのではないかと思います。

株価は上がるのでは

控えめに計算しても1株当たりの利益は統合後もトントンくらいでしたので、シナジー効果が出てくれば業績はさらに伸び、1株当たり利益も伸びていくと思われます。

また、期末の配当金はよほどのことがない限り増額されるでしょう。

ですので、経営統合の影響のみで考えれば株価は上がると思います

結局、「買い」なのか

株価は上がると思っているので個人的には「買い」です。

しかし実際のところは、それがどのくらい織り込まれているのか、需給のバランス、そもそもの事業の先行きといったことの方が影響が大きそうです。

現状の配当利回りが配当金狙いの基準からすると低いので手は出せませんが、監視はしていこうと思います。

(追記)

結局100株だけ買っちゃいました。

「買い」と言っておいて買わないのもあれですし…(言い訳)

もう少し具体的な理由は以下の記事に書いています。

【2018年5月28日】協和エクシオ【1951】をちょっと買い