私は2018年9月から、FXの自動利益確定ツール「トラリピ」を利用しています。
運用資金は100万円で、今のところ毎月5千円~1万円程度の売買益が出ている状況です。
2ヵ月ほど運用を続けてみてトラリピのメリットとデメリットがよく分かってきたので、トラリピが気になっている方向けに整理してみました。
トラリピとは?
そもそもトラリピとは何ぞや?という方は、以下のトラリピ公式動画を見ると分かりやすいです。
一応、トラリピを簡単に説明すると、
- FX(外国為替証拠金取引)の自動売買ツールの1つ
- あらかじめ設定しておいたルールに従って売買を繰り返してくれる
- 感情に左右されることなく、資産を楽に運用できる
といった感じです。
より詳細な説明はトラリピの運営会社マネースクエアに譲るとして、まずは簡単にこれまでの運用成績を見ていただこうと思います。
これまでの運用成績
この記事を書いた運用2ヵ月目までの成績がこちらです↓
期間 | 売買益 | スワップ | 実現損益 |
---|---|---|---|
9/3-9/8 | 1,200 | -18 | 1,182 |
9/10-9/15 | 0 | -226 | -226 |
9/17-9/22 | 1,800 | -635 | 1,165 |
9/24-9/29 | 2,800 | -773 | 2,027 |
10/1-10/6 | 3,600 | -773 | 2,827 |
10/8-10/13 | 600 | -800 | -200 |
10/15-10/20 | 2,400 | -587 | 1,813 |
10/22-10/27 | 2,250 | -600 | 1,650 |
10/29-11/3 | 5,800 | -457 | 5,343 |
合計 | 20,450 | -4,869 | 15,581 |
毎週、コンスタントに売買益が出ていることが分かると思います。
マイナスのスワップポイント(金利差のようなもの)を差し引いた上での実現損益は運用開始から2ヵ月で15,581円となりました。
11月3日時点の現金残高は、元手100万円+実現損益15,581円=1,015,581円となっています。
一方、トラリピの性質上、ほぼ常に評価損を抱えながら運用していくことになるため評価損益はマイナスで、現金残高から評価損益を差し引いた時価残高もまだ100万円には及びません。
しかし、もう数ヵ月くらいすれば時価残高も100万円を超えてくるはずです。
こうして運用成績を眺めてみると、トラリピを始める前には見えてこなかった、あるいは半信半疑だった部分が見えてくるようになります。
トラリピのメリット
よく言われるトラリピのメリット
先に、運用を始める前からでも分かるトラリピのメリットについて軽く触れておきます。
とにかく楽
最初にルールを設定しておけばそれに合わせて自動で売買を行ってくれるので、画面に張りついてチャートや値動きを凝視する必要がありません。楽です。
感情的なトレードを回避できる
トラリピは、自分の判断で売買を行う「裁量トレード」とは異なりますから、一時的な感情に流されて売買を行ってしまうという事態を回避できます。
始めるタイミングを問わない
為替は上下を繰り返していますから、いつ始めても「遅すぎる・早すぎる」といったことはありません。
続いて、運用を始めてから実感したメリットを挙げていきます。
利回りがけっこう良い
100万円の運用資金で、わずか2ヵ月で15,000円ほど稼げてしまいました。
1ヵ月あたり7,500円、年換算すれば7,500×12=90,000円。年利9%です。
もっと言うと、スワップがマイナスになるようなポジションを作らないでおけば年利10%以上いける可能性も十分にあります。
毎週利益が発生する
これはトラリピの設定や為替の値動き次第な部分もありますが、私と同じような条件で設定していれば、少なくとも毎週ペースで利益が発生します。
着実に利益が積み重なっていくので、稼げている感がそれなりにあるのが嬉しいところです。
参考:資金100万円でトラリピ(FX)をスタート!設定・実績も公開
軌道に乗ってしまえば安定感がすごい
株式投資だと、コツコツ上昇していたのに思わぬ出来事が原因で株価が急落、一気に含み損に…なんてことがよくあります。
しかし、トラリピは常に含み損を抱えながらも利益を積み重ねていくため、リスクさえとりすぎなければ安定感が高いと私は思っています。
為替の急変動が起きても、ロスカットにならないように考えておけばむしろ利益につながりやすいです(逆に値動きがないと全然稼げません)。
トラリピのデメリット
トラリピ(FX)のデメリットやリスク、そしてそれらの対策についてはトラリピを始めてすぐのころに一通り検討しました。
- 手数料やスプレッドについて
- 短期間では稼げない
- 強制ロスカットは絶対に回避すべき
などについては以下の記事をご覧ください。
参考:トラリピ(FX)のリスク・デメリットを洗い出して対策を考える
内容が若干被る部分もありますが、こちらではより突っ込んだ話を書いていきます。
基本的に評価損を抱えた状態が続く
トラリピではほぼ常に何らかのポジションを持ち続けることになります。
そして為替が上下することで含み益は確定されますが、含み損はそのままとなります。
そのため、必然的に含み損(評価損)を抱えた状態が続くのです。
はじめのうちはどうしても一方的に含み損が増えていくので気にしがちですが、あらかじめそういうものだと理解しておけば気にする必要はありません。
確定した利益が徐々に時価残高を押し上げてくれるので、いずれは含み損を加味しても元手以上の時価残高になってくれます。
一度始めるとやめづらい
先ほど書いたように、始めた直後はどんどん含み損が増えていきます。
そのため、始めたあとに「やっぱりやめようかな…」と思っても、その時にはすでに含み損を抱えていて、損切りをしないとやめられない状態になっているケースが多いです。
トラリピを始める前に、
- しっかりと続けられそうか
- 開始早々にやめようと思った際は損切りする覚悟があるか
といった点はよく自問自答しておいた方が良いでしょう。
とはいえ、運用を続けていれば、いつやめても赤字にならないくらいに利益が積み重なっていきます。
トラリピの設定にもよりますが、数ヵ月から長くても1年くらいで「含み損込みでも黒字」の状態になるでしょう。
また、運用が軌道に乗ってからもやはり含み損は抱えた状態になりがちです。
もし含み損をなくした状態でやめようと思ったら、
- 新たなポジションを作らないようにする
- 既存のポジションをプラマイゼロ以上の形で清算する
といったプロセスが必要になります。
新たなポジションを作らないようにするのは設定を変えるだけなので簡単ですが、既存のポジションを清算するのが一苦労です。
残っているのがどういったポジションなのか、為替がどう動いてくれるのかによって、どのくらいの期間で清算が終わるのかが変わってきます。場合によっては数年間塩漬けに…なんて可能性もあります。
もちろん、既存のポジションが強制ロスカットにならない程度の証拠金だけを残しておけば、それ以外の資金は回収してしまっても大丈夫です。
他にも、含み損の少ないポジションだけ手動でロスカットしてしまえば必要な証拠金も減ります。
やりようはいくらでもありますが、いずれにしてもささっと手仕舞いをするのは難しい投資法であると理解しておきましょう。
マイナスのスワップは苦痛
私はトラリピを始めたころ、両建て(同じ通貨ペアで「売り」と「買い」の両方のポジションを持つこと)をしていました。
米ドル/円は「買い」の場合は1万通貨あたり1日20円程度のスワップ(金利差相当額)が貰えます。
逆に「売り」の場合は1万通貨あたり1日80円程度のスワップを支払うことになります。
1万通貨は1万ドルを意味します。1万ドル(≒110万円)分の売りポジションを持っていると、それだけで毎日80円くらい支払わなければなりません。
最初のころは「売買益でカバーできていればいいのでは」と思っていたのですが、今となっては「スワップがマイナスになるポジションは持たない方がいい」と確信しています。
ここでもう一度、運用成績をご覧ください。
期間 | 売買益 | スワップ | 実現損益 |
---|---|---|---|
9/3-9/8 | 1,200 | -18 | 1,182 |
9/10-9/15 | 0 | -226 | -226 |
9/17-9/22 | 1,800 | -635 | 1,165 |
9/24-9/29 | 2,800 | -773 | 2,027 |
10/1-10/6 | 3,600 | -773 | 2,827 |
10/8-10/13 | 600 | -800 | -200 |
10/15-10/20 | 2,400 | -587 | 1,813 |
10/22-10/27 | 2,250 | -600 | 1,650 |
10/29-11/3 | 5,800 | -457 | 5,343 |
合計 | 20,450 | -4,869 | 15,581 |
売買益の合計約2万円に対し、スワップのマイナスが約5千円もあります。スワップだけで売買益の25%ほどを持っていかれているのです。
しかも厳密には買いポジションのプラスのスワップも含めての-4,869円ですので、マイナススワップだけで見ればマイナス額はもっと大きいです。
最近の売買益はすべて買いポジションから発生しているため、売りポジションは現状、完全にお荷物となっています…。
ポジションを長期間持つ可能性があるトラリピだからこそ、スワップについてはしっかりと理解・検討する必要があります。
ただし、両建てには必要証拠金を抑えられるというメリットがあります。
できるだけ証拠金額を抑えたく、かつマイナスのスワップが気にならない方は両建てのトラリピ設定も検討する価値はあるでしょう。
私にとっては、マイナスのスワップは苦痛の方が大きかったのでデメリットという認識になっています。
トラリピ開始後の残高の動き
最後に、私がトラリピを始める前はなかなかイメージできなかった「トラリピ開始後の残高の動き」を解説しておきます。
為替があまりにも一方向に急激に動いてしまわない限りは、同じような動き方をすると思うので参考にしてみてください。
まず、トラリピ開始後の大まかな流れは以下のようになります。
- トラリピの設定を決めて運用スタート
- 為替の値動きに応じてポジションが増えていく
- 含み益は決済されて実現利益となり、一方で含み損はそのまま蓄積されていく
- 含み損が増えることで時価残高が投資額よりも少なくなる
- 含み損のボリュームが落ち着いてくる
- 含み益の決済が積み重なり、現金残高が徐々に増加する
- 現金残高の増加に伴い時価残高も徐々に増加する
- 時価残高が投資額を上回る(含み損をすべて清算してもプラスの状態になる)
次に、私の運用成績をもとにしたグラフで解説していきます。
私は元手100万円で運用をスタートしました。
【グラフの補足】
・青線が現金残高(元手+実現損益)
・灰色線が時価残高
・現金残高と時価残高の差額が含み損(時価残高の方が大きければ含み益)
・横軸は週数
トラリピ開始後の流れでも書いたように、はじめは含み損が増えていくので時価残高がどんどん減っていきます。
しかし、利益もコツコツと確定させていくため現金残高は緩やかに増加していきます。
しばらく運用しているとポジションづくりが落ち着き、含み損の規模も落ち着いてきます。
ここからは時価残高も増加傾向に変わってきて、いずれは元手(この例の場合は100万円)よりも高くなります。
こんな感じの残高推移をあらかじめ知っておくと、運用開始後に含み損が増えていっても落ち着いていられるかと思います。
ちなみに、通常はその時のトラリピ設定に応じた証拠金額を入金しているはずです。
ですので現金残高が増えてきたら、
- 強制ロスカットのラインを下げるためそのままにしておく
- 追加のトラリピ設定を行う
- 別の通貨ペアでも運用してみる
- 出金して別の投資に回す
といった判断をしていきましょう。
必要以上の資金を現金残高として寝かせておいてもあまり意味がありませんからね(証拠金を手厚くする目的の場合は別です)。
最後に
経験上、トラリピは出だしで意図していないポジションを抱えてしまうと苦労することになりやすいです。
しかし、そこさえ気をつけておけば毎週コツコツと利益を積み重ねていけるのが心地よい投資法です。
ウェルスナビなどのインデックス投資では確定する利益が分配金くらいしかありませんが、トラリピ(FX)では着実に利益を確定していけますからね。
トラリピはマネースクエアで口座開設をすると利用できるようになります。
気になる方はひとまず口座開設&少しばかり入金(運用していなくてもOK)をして『トラリピの教科書』をゲットして、じっくり読んでから始めるか決めてもいいと思います。
※今はトラリピをやめてループイフダンに乗り換えています。
スワップポイントがトラリピよりもループイフダンの方が圧倒的に大きかったのが主な理由です。
参考:100万円から始めるループイフダン。設定と実績を公開中!
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