すかいらーくグループ【3197】はガストやバーミヤンなどのファミレスを始めとしたレストラン事業を手掛けるグループ企業です。
株価チャートを見たら2014年からしかなくて「あれ?」と思ったのですが、2006年に上場廃止して2014年に再上場していたのですね。
先日調べたイオンと同じく、すかいらーくも人気の優待銘柄ということで一応調べてみました。
業績・年間配当・配当性向の推移
期 | 売上収益 (億円) |
営業利益 (億円) |
年間配当 (円/株) |
配当性向 |
---|---|---|---|---|
’14/12 | 3,400 | 216 | 13.5 | 27.3 |
’15/12 | 3,511 | 278 | 33 | 42.4 |
’16/12 | 3,545 | 312 | 38 | 40.6 |
’17/12 | 3,594 | 281 | 38 | 47.9 |
’18/12 | 3,663 | 228 | 38 | 65.5 |
’19/12 (予) |
3,700 | 220 | 19 | 34.0 |
再上場後の業績を見てみると、売上収益は伸びているものの利益がそれに伴っていない印象を受けます。
今のところの業績のピークは2016年12月期で、そのタイミングで増配をしています(33円→38円)。
しかし、その後は利益が減少傾向にあるため配当性向が高まってしまいました。
それを受けてかは分かりませんが、2019年12月期は大幅な減配予想となっています(38円→19円)。
再上場後の有価証券報告書の配当政策にはこれまで「調整後当期利益ベースで40%の連結配当性向を目標」という表現が使われていました。
しかし、2018年12月期決算短信では「調整後当期利益ベースで約30%の連結配当性向を目標」という表現になっていました。
キャッシュフローはそこまで悪くないように見えるので配当性向40%を忠実に実行する程度に留めてもよかったのではと思いますが、相当な危機感でもあるのでしょうか。
あるいは、2017年の優待拡充による営業利益悪化分(年間20~30億円程度)を減配でカバーしているとも受け取れます。
いずれにしても、毎年のように減配するくらいなら一度大きく下げてしまってそこから少しずつでも増配していった方が印象は良さそうですし、このやり方は理解はできます。
ただ、簡単に減配するという意味で、配当金狙いで買うには微妙そうということもよく分かりました。
直近の決算(2018年12月期)
2018年12月期は増収減益となっています。
既存店・新店ともに営業利益への影響は前期比プラスですが、最低賃金引き上げ等による人件費の上昇や株主優待の影響が大きく響いています。
楽観視できる状態ではないものの、めちゃくちゃ厳しい状況かというとそうでもないように思えます。
2019年12月期の業績予想
2019年12月期は増収減益予想となっています。
営業利益の増減内訳を見てみると、2018年12月期と同様に人件費や株主優待の負担が引き続き重そうです。
また、消費税増税も含む景気の下振れリスクを20億円ほど織り込んだ業績予想となっています。
そもそも、株主優待による負担増は2017年2月に株主優待の内容を拡充したことが発端となっています。
しかし、ようやく株主の増加が落ち着いてきたためか、前期比で見た時の影響額は落ち着いてきた模様です。
とはいえ、優待拡充前と比べれば重荷であることには変わりはありませんから、それを補うだけの増収が必要となっているのは間違いないでしょう。
営業利益が前期比マイナスとなるのはそろそろ落ち着くように思えますが、2016年12月期に記録した営業利益300億円に再度到達するにはしばらく時間がかかりそうです。
配当と株主優待について
配当
すかいらーくの権利確定日は6月末と12月末の年2回です。
目先では、
- 2019年6月25日
- 2019年12月26日
が権利付最終日(その日に株を持っていれば権利が貰える日)となっています。
配当金の支払日は中間配当が9月中旬頃、期末配当が3月中旬頃です。
株主優待
すかいらーくの株主優待は、すかいらーく系列の店舗で利用できる優待カードです。
優待カードの額面を上限として、税込500円単位で利用することができます(お釣り不可)。
貰えるカードの額面とその内訳は、権利確定日における保有株式数に応じて以下のように定められています。
保有株式数 | 6月末権利確定分 | 12月末権利確定分 | 年間合計 |
---|---|---|---|
100-299 | 計3,000円 ・1,000円×3枚 |
計3,000円 ・1,000円×3枚 |
6,000円 |
300-499 | 計9,000円 ・1,000円×3枚 ・3,000円×2枚 |
計11,000円 ・1,000円×5枚 ・3,000円×2枚 |
20,000円 |
500-999 | 計15,000円 ・1,000円×3枚 ・3,000円×4枚 |
計18,000円 ・1,000円×3枚 ・3,000円×5枚 |
33,000円 |
1000- | 計33,000円 ・1,000円×3枚 ・5,000円×6枚 |
計36,000円 ・1,000円×6枚 ・5,000円×6枚 |
69,000円 |
表を見ての通り、保有株式数にある程度は比例する形でカードの額面も増加していきます。
優待狙いで買うなら100株、300株、500株、1000株のいずれかを狙うのが効率的で、利回りが最も高くなるのは1000株のときです。
保有株式数と配当・優待利回りの試算
すかいらーくの株価を1700円、配当金を年額19円(2019年12月期の予想値)と仮定した上で、保有株式数ごとに利回り(配当+優待)を計算してみました。
その結果が下の表です↓
配当金は保有株式数に完全に比例しますが、株主優待は保有株式数が多い方が有利です。
最も利回りが高くなるのは1,000株保有している時で、株価1700円、配当金が年額19円という前提であれば利回りは5.18%となります。
なお、中途半端に200株保有したり、1100株以上保有したりても旨味はありませんのでご注意ください。
株価の推移
なんとも読み取りづらいチャートをしています。
2018年の株価上昇は優待パワーなのでしょうか。
12月の権利取りに向けて上昇し、記憶に新しい12月末の暴落&権利落ちで下げてからリバウンド、そして減配発表でまた急落…こんな感じかと思います。
2019年12月期予想の営業利益は2014年12月期よりも少しいいくらいですから、それだけで考えるとまだ高い気もします。
しかし今後の業績回復期待(?)や優待人気を加味すると、このくらいの水準でもおかしくないようにも思えます。
すかいらーくは「買い」なのか
すかいらーくの株主優待を含めた利回りは5%程度ですし、優待目当てですかいらーくを買うくらいならJTを買うかな…といった感じです(2019年2月28日現在のJTの利回りは5.4%超)。
そして配当金ですかいらーく系列のお店に行ったり他のことにお金を使ったりした方が効率的に思えます。
とはいえ、株主優待を使って飲食をするのは気持ちがいいことであるのも知っています。
12月の1900円台に比べれば今の1700円台はだいぶ安くなっていますし、株主優待が欲しいならとりあえず100株買っておくのは悪くない気がします。
保有株数によって優待利回りが上がっていく銘柄ですので、さらに株価が下がるならそのタイミングで買い増ししていけば良さそうです。
売買の履歴
ありません。