ローリスクなのにしっかりとリターンが狙えるという噂のIPO(アイピーオー)投資。
株式投資の手法の一つということは知っていましたが、ちゃんと調べたことはありませんでした。今回、ふと気になったので調べてみました。
結果、確かにリスクは限定的で、まじめに取り組めばそれなりのリターンが期待できそうです。
IPO投資とは?
企業が新規上場する際、新たに株式を公開します(これをIPOと言います)。
その新規公開された株式を公募価格で購入し、初値で売ることで利益を出そうとするのがIPO投資です(※初値で売らない場合やずっと保有し続ける場合もありますが、ここでは「IPOで手に入れた株を初値で売る」という狭義の意味でIPO投資という言葉を使っていきます)。
- 公募価格…発行された株式の売出価格。株の動きは 企業→投資家。
- 初値…上場後に証券取引所で付いた最初の価格、株価。株の動きは 投資家→投資家。
企業が証券取引所に上場する目的の一つは資金集めです。
そのため、企業としては少しくらい安くてもいいから株を買ってほしいという思惑があり、公募価格よりも初値が高くなるケースが多いです。
この公募価格と初値の価格差で一儲けしようというのがIPO投資というわけです。
IPO投資ですべきことはとてもシンプルで、
- 公募価格で株を買う
- 初値で売る
たったのこれだけです。
筋も通っているし、これなら誰でも大儲けできるのでは…と思いますよね。
しかし、そんな美味い話には当然ながら多くの人が飛びつきます。
その結果、公募価格で株を買いたいという人が多すぎて抽選になることがほとんどです。
抽選での当選確率をいかにして高めていくか。これがIPO投資攻略のカギとなります。
IPO投資のメリット
勝率が高い
2017年に上場した企業は94社で、うち公募価格よりも初値が高くなった、つまり利益が出たのは84銘柄です。
なんと割合にして約89%の銘柄が、IPO抽選に当選して初値で売るだけで利益が出たのです。
全てのIPOに申し込んで当選した場合、+1650万円ほどの利益になるとのこと。
さすがに全部当選する確率は極めて低いですが、10%でも当選すれば165万円…なんて夢が広がります。
2017年に限らず、ここ数年は公募価格よりも初値の方が高かった銘柄の割合が80%以上となるケースが多いことからも、IPO投資は勝率の高い投資法といって良いでしょう。
初心者でも、資金が少なくても始められる
IPO投資には難しいテクニックや大きな資金力は必要ありません。
IPO抽選があれば申し込み、当選したら初値で株を売る。それだけを淡々とこなしていけば良いのです。
もちろん、資金がある程度ないと、抽選時期が重なってしまったとき全案件に申し込むのが難しい場合もあります。
しかし、1つ1つのIPOは数万円~数十万円程度の規模ですから、資金が少なくても取り組めるのがIPO投資の魅力です。
抽選に外れたら資金は戻ってくる
IPOの抽選に外れてしまってもお金が減ることはありません。
申し込みに際して手数料が引かれるといったこともないため、お金はそっくりそのまま戻ってきます。
IPO投資のリスク・デメリット
抽選で当選するかは運しだい
IPO抽選に申し込んでも、当選するかどうかは運しだいです。
証券会社によっては資金量に比例して当選確率が上がるところもありますが、それでも100%当選となるわけではありません。
運が悪ければ全然当選できない…なんてこともあり得るのがIPO投資なのです。
とはいえ、落選したとしてもお金が減るわけではないため、全然当選しないからといって損をすることはありません。
公募割れの可能性もある
設定された公募価格よりも初値が低くなってしまうことを公募割れと言います。
こうなると、せっかく当選して株を手に入れて初値で売ったとしても赤字です。
ここ数年のIPOは勝率8割を超えているとはいえ、公募割れになる銘柄もあるにはあります。
ただし、そういった銘柄は事前に予測できるケースがあるので、やみくもに応募せずしっかりと見極めることで、公募割れのリスクは下げることが可能です。
本格的にやるなら多数の口座開設が必要
IPO抽選の当選確率を上げるには、とにもかくにも多くの証券会社で口座開設をする必要があります。
口座開設自体は無料なのですが、多数の口座開設手続きをするというのが最初にして最大のハードルと言えるでしょう。
これを乗り越えなければIPO投資は始まりません。
実際のところ、IPO投資は儲かるのか
「IPO ブログ」といったキーワードで検索すると、IPO投資を実践している方のブログが多数ヒットします。
ざっと眺めた感じでは、年間で数十万円~数百万円の利益といった感じでした。
家族ぐるみで取り組んでいる方もちらほら見かけました。その方がトータルの抽選回数が増える分、当選回数が増えますからね。
こういった方々は当然のように多数の証券口座を開設して取り組んでいます。
そのくらいしっかりと取り組めば儲かるということは分かりました。
しかし最終的には自分がどれだけ抽選に申し込むか(努力)、そして当選できるか(運)にかかっています。
リスクこそ低いですが、「めちゃくちゃ簡単に・確実に儲けられる」というわけでもありません。
IPO投資の始め方・手順
細かい部分は証券会社によって違いがありますが、IPO投資のざっくりとした流れは以下のようになります。
- 口座開設
- IPOの情報を入手し、申し込むか決める
- ブックビルディング(抽選)に申し込み
- 当選した場合は購入するかを判断。落選した場合は2に戻る
- 購入した場合は初値で売却
- 以後、2~5を繰り返し
慣れてしまえばほとんど時間はかかりません。
どちらかというとスケジュールや資金管理の方が重要です。
IPO投資におすすめの証券会社
たくさんググって情報収集して、IPO投資をするなら口座開設をしておきたい証券会社をピックアップしました。
その数、なんと13社。画像はクリック・タップで拡大できます。
これらを3つにグループ分けしたので、証券会社を決める際の参考にしてみてください。
絶対に口座開設しておきたい証券会社
- IPOの取扱い実績が多い
- 主幹事となった回数が多い
- 抽選配分の割合が高い
といった理由から、IPO投資をするなら絶対に口座開設しておきたい証券会社がこのグループです。
具体的には、
の5社です。
IPO投資はどうしても「数撃ちゃ当たる」な部分がある以上、IPO取扱い実績の多い証券会社や、IPO株の割当が多い主幹事証券会社から攻めるのがセオリーです。
できれば口座開設しておきたい証券会社
IPOの取扱い実績や主幹事回数は先ほどの「絶対に口座開設しておきたい証券会社」に劣るものの、それでもそこそこの実績がある証券会社です。
抽選申込回数を増やせば当選回数も増えるため、できれば口座開設をしておきたいところ。
具体的には、
の4社です。
資金効率を高めるのに適した証券会社
通常、IPOの抽選に申し込む際には必要額を入金しておかなければなりません。
しかし、以下の4社は当選した後に入金すればOKなのです。
とりあえず抽選申込をしておいて、当選したらその時に初めて入金すればいいので、特に小額でIPO投資を始めようとしている方におすすめです。
なお、上記の証券会社はIPO実績が比較的少なめではありますが、野村證券だけは実績がそれなりにあり、主幹事回数も多いです。
便宜上「資金効率を高めるのに適した証券会社」に分類しましたが優先度は高めです。
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ここで紹介した13社以外にも、東海東京証券、楽天証券、むさし証券、GMOクリック証券、立花証券…と、証券会社は多数存在しています。
私は上記の13社で十分と判断しましたが、他にも証券会社が多数あることは知っておき、必要に応じて調べたり口座開設をしたりしてください。
IPO投資をするなら全力で。中途半端はNG
IPO投資をするなら、まずは片っ端から口座開設をしていきまし
とはいえ、たくさん口座開設をするというのは実に面倒ですよね。私も正直、面倒だと思います。まずは1つの証券会社だけでいい
おそらくIPO投資を始めようとした人の多くがそう感じているの
しかし、面倒だからこそチャンスなのです。
中途半端にIPO投資を始めた人は1つ、あるいは2つくらいの証
つまり、多数の証券会社で口座開設をするだけで圧倒的に有利な
それでも「13個も口座開設をするのはちょっと…」という方もいるでしょう。
そんな方は「絶対に口座開設しておきたい証券会社」の5社から始めてみてはいかがでしょうか。
これだけで、
もちろん全部開設する方が良いのですが、最大限妥協するならこ
口座開設手続きはどこも似たようなものなので、ちまちまと
最初にして最大のハードル「複数の証券口座開設」を乗り越えられなければIPO投資は始まりません。
やると決めたら、一気に乗り越えてしまいましょう。