連続増配かつ低利回りな銘柄は買うべきなのか…私は買わない

今後の増配も期待できて銘柄自体を見れば申し分ないものの、株価高騰で配当利回りが低くなってしまっている銘柄があります。

具体的には【4452】花王なんかがそうですね。

「増配を続けているというプラス点」と「利回りが低いというマイナス点」、これらをどう解釈すべきなのでしょうか。

色々と考えた結果、私の中では「買うべきではない」という結論に至りました

利回り2%で年10%成長の銘柄 VS 利回り3%で年5%成長の銘柄

「増配を続けている低利回り銘柄の方が配当利回りの伸びが良い」と仮定した上で、以下の架空の2銘柄で比較をしてみました。

  • 配当利回り2%スタートで配当額が10%ずつ伸びていく銘柄
  • 配当利回り3%スタートで配当額が5%ずつ伸びていく銘柄

その結果、配当金の累計額は以下のように推移しました。

年10%成長
利回り2%スタート
年5%成長
利回り3%スタート
1 20円 30円
2 42円 61.5円
3 66.2円 94.6円
4 92.8円 129.3円
5 122.1円 165.8円
6 154.3円 204.1円
7 189.7円 244.3円
8 228.7円 286.5円
9 271.6円 330.8円
10 318.7円 377.3円
11 370.6円 426.2円
12 427.7円 477.5円
13 490.5円 531.4円
14 559.5円 588円
15 635.4円 647.4円

15年目までは、配当利回り3%スタート(5%成長)の銘柄の方が累計配当額が大きいです。

16年目には逆転し、以後は配当利回り2%スタート(10%成長)の銘柄の方が累計配当額が大きくなります。

数十年スパンで見ると、スタートの配当利回りは低くても増配を繰り返して増配率の高い銘柄を保有していた方が良いように思えます。

しかし、私はそれまでの期間に環境が変わららない可能性の方が低いと思っているので、むしろスタート時の利回りが高ければ10年以上優位でいられるという点が興味深かったです。

また、連続増配で有名な花王の配当利回りは1.48%(7/6現在)で今回の想定より低いですし、私が配当金投資のために購入している銘柄の配当利回りは4%前後が中心です。

利回り1.5%と4%で比較した場合はもっと差が開くことは言うまでもありません。

株価の上昇(含み益)では株は買えない

配当利回りは低くとも株価の上昇率が高ければ良いのでは?」、という意見もあるかと思います。

しかし含み益がいくら積み重なっても、それで株を買い増しすることはできません。

つまり、含み益があっても受け取れる配当額は1円も増えないのです。

もちろん、売買益狙いであったりインデックス投資に近い感覚で長期保有による資産増を目指しているならそれでも構いません。

ですがここでは配当金投資を前提としていますから、株価の上昇はあくまで副産物に過ぎないのです。

また、含み益が大きくなってきたら一部を利益確定すればよいという考え方もできます。

しかし、そんな回りくどいことをして再投資するくらいであれば、最初からもっと配当利回りを重視するか、売買益狙いで投資をするかした方が良いです。

配当金を増やすために売買益を狙う、などというどっちが目的か分からないようなことはしない方が賢明でしょう。

配当利回りは正義!

というわけで、配当金投資をする上では現在の配当利回りがとても重要という結論に至りました。

たとえどんなに良い銘柄であったとしても、利回りが低いうちは手を出さずに待っていた方が良さそうです。

魅力的な低利回り銘柄があったらマークだけはしておき、いつか来るかもしれない買い時をひたすら待ちましょう。

利回り3.5%で良かれと思って買ったブリヂストンも、今では利回り3.9%まで上昇しています…(要するに含み損)。

どんな銘柄でも株価が下がるときは下がります。

それまでは現金で持つなり他の高利回り銘柄を持つなりしておけば良いのです。

そして受け取った配当金で、さらに高配当銘柄を買い増していきましょう!

参考:配当金投資におすすめの銘柄リスト

  • このエントリーをはてなブックマークに追加