JT(日本たばこ産業)【2914】が2019年12月期決算を発表。4円(2.6%)の増配と自社株買い(1.28%)も。

JT(日本たばこ産業)【2914】の決算発表が2月7日にありました。

2018年12月期の着地は増収減益でした。

2019年12月は減収減益予想となっていますが、増配・自社株買いというプラス材料も出ています。

2018年12月期の業績

売上と利益をセグメント別で見るとこんな感じです。

国内は紙巻たばこの売上減少がどうしても響いている感じです。

一方で、主力となっている海外たばこ事業は単価上昇効果や買収によって着実に売上・利益を伸ばしています(為替一定ベース)。

為替一定ベースだと利益はバッチリ伸びているんですよね。でもそれが為替の影響でだいぶ削られてしまっています。

いくらタバコが売れたとしても、現地通貨が安くなってしまうと最終的に円換算したときにどうしても数字が小さくなってしまいます。

特にトルコリラとイランリアルの下落が強烈ですね。

まぁでも、為替一定ベースの調整後営業利益は8.9%増だったわけですから、まずまずの着地だったのではないかと思います。

2019年12月期の業績予想

2019年12月期も引き続き為替が厳しい想定となっています。

通貨別のインパクトとしてはルーブルの影響が最も強いようです。

為替の影響が大きいのは確かですが、JTはどちらかというと為替一定ベースでの営業利益で見た時の成長を目標として掲げています。

Mid to high single-digit…1桁半ばから後半の成長率を目指しているとのことです。

2019年12月期の為替一定ベースの調整後営業利益は+2.4%予想となっています。

来期の配当金は2.6%増配の154円予想

2019年12月期は減収減益予想であるものの、配当金は今までと同様、増配の予想となっています。

今回は150円→154円で2.67%の増配予想です。

配当性向はさらに上昇して74.6%となっていますが、今後も(増配幅は縮まるとしても)意地でも増配を続けていくと思っています。

投資家説明会の動画中(1:45:45辺り)でも、「減配をすることは考えていない」との発言がありました。

業績こそ順調に伸びているとは言えないものの、自己資本比率が高くキャッシュフローも安定しているのでまだまだ大丈夫でしょう。

上限1.28%の自己株式取得

決算発表と同時に自社株買い(自己株式の取得)も発表されました。

上限は2,300万株(発行済株式総数の1.28%)です。

現預金が1,000億円を超えてきた辺りで自社株買いを発表する感じなのでしょうか。

来年はもう少し現預金残高の状況を見ておこうと思います。

最後に

自社株買いと増配は株価にはプラス要素ですが、決算と業績予想を踏まえるとどう動くんでしょうね。

JTの業績より地合いの方がインパクト大きかったりしますが…。

増配や自社株買いは嬉しい反面、まだ買い増しもしたいので変に株価が上がってほしくないという思いもあります…ぜいたくな悩みですね。

参考:JT(日本たばこ産業)【2914】は「買い」なのか。株価や業績、配当金、今後の見通しなどから考える

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コメント

  1. ダルシム より:

    >主力となっている海外たばこ事業は単価上昇効果や買収によって着実に売上・利益を伸ばしています(為替一定ベース)

    海外企業を買収してのれん代の償却もしてないんだから、その分の売上利益が上乗せされるのは、当たり前だと思います。割高な買収ばかりなので、のれん代の償却してたら普通に利益はマイナス要因です。
    為替一定ベースを公表するのなら、買収による上乗せを除いた数字も公表すべきと考えます。

    • ぽてっと より:

      コメントありがとうございます。

      > 海外企業を買収してのれん代の償却もしてないんだから、その分の売上利益が上乗せされるのは、当たり前
      これは仰る通りです。
      確かに、買収分を除いた場合の数字も見てみたいですね。

      ただ、のれんに関してはすでにキャッシュアウトした存在なので、今後もキャッシュフローが安定しているならばあまり気にしなくてもいいかなとは思っています。
      一気に減損せざるを得なくなったらその時は色々と悲惨なことになりますが…。

  2. ダルシム より:

    こんにちは。

    のれん代は既にキャッシュアウトした存在ですが、バランスシートには実態がない資産なのに資産計上されています。減損されなければいいという訳ではないと思います。

    既にキャッシュアウトしてるから気にしない、では、どんなに割高な買収でも買収した会社の利益や売上が加算されるから良いという話になってしまいます。
    やはり、のれん代は償却すべきだと思いますね。
    IFRSでものれんを償却する検討が始まったらしいですし。
    JTがのれん代を償却し始めたらPLに出てくる収支も相当やばくなると思います。

    • ぽてっと より:

      のれんを気にしないというのは、あくまでキャッシュフローが安定しているなら…という前提付きです。
      一連の買収が割高だったかどうかは、不勉強なこともあり私にはまだ判断できません。
      コメントいただいたおかげで気になってきたので、ひとまず新貝さんの著書を読んでみることにしました。

      のれんが(減損しない限り)BSに残り続けるというのは私もどうかと思っているので償却には賛成です。
      仮に償却することになりPLが悪化しても、資金繰りや配当政策に悪影響がなければいいかなとは思っています。
      株価が下がる分には買い増ししやすくなりますし…。

  3. 通りすがり より:

    のれんの償却をしてもしなくても実質的な企業価値は変わりませんよ。
    決算の数字が変わるだけです。
    割高な企業を買ったと思うのであれば、決算でどのような数字が出ようが各自で判断することは可能ですね。

    会計基準で企業価値が変わるわけはありません。

    • ぽてっと より:

      コメントありがとうございます。
      企業価値が変わらなくとも決算の数字が変わることで起こる影響もあるので、それをどの程度重視するかによっても見解が変わってきそうですね。