投資や資産運用について調べていると、「まずは目標額を決めましょう!」みたいなフレーズをよく見かけます。
あるいは、いついつまでという期限もセットで、逆算して年利〇%で運用して…みたいなやつですね。
しかし、この目標金額ってのは意味があるんでしょうか。
私は株式投資を初めてずいぶん経ちますが、ついに目標金額を決めることはありませんでした。
周りを見ても、「いくらいくら目指して投資してます」という人は見たことがありません。
よくある目標金額の例
よくあるのは、
- 子供の学費
- 住宅購入費
- 老後の資金
辺りでしょうか。
子供の学費のために投資をするなとは言いませんが、高額な学費を想定しているなら子供が産まれてからの教育にもそれなりにお金をかけることになるでしょうから、投資でうんぬん以前に早いうちからそれなりの稼ぎが必要でしょう。
そこまで高額な学費を想定していないなら日々の貯蓄で十分に対応できるはずです。ある程度の貯蓄すらままならないなら投資の種銭すら作れませんし。もちろん、その貯蓄を寝かしておかずに運用するのは良いと思います。
住宅購入費のために投資をするというのもよく分かりません。住宅ローンの金利はめちゃくちゃ安いですから、わざわざ運用している資産を崩す必要はないでしょう。金利を支払いつつも、それ以上のパフォーマンスで資産を運用し続けた方が良いです。
老後の資金は、いったいいくら貯めれば良いのか見当もつきません。10年長生きしてしまうだけで大きく計算は狂うでしょうし、せっかく貯めたのに早死にしてもなんだか悔しいです。数百万円じゃ心もとない、ということまでは分かっても、いくらあれば十分なのかはさっぱり分かりません。
お金は際限なく欲しい
そもそも、お金は貰えるならいくらでも欲しいわけです。なのにわざわざそれに蓋をして〇〇円を目指す!というのはちょっと謙虚すぎやしませんか。
どうせ投資するならできるだけ高い利回りで運用したいですし、お金にはどんどん増えてもらいたいです。
でも、損は極力したくないのです。
だから、リスクとリターンの兼ね合いでどこまでなら許容できるのかを考えることになるわけです。
そして、投資にかけられる時間とも相談しながら、自分に合った投資先を見つけていくことになります。
- 大穴狙いの大勝負を仕掛けるのか
- しっかりと銘柄を分析して個別株投資で頑張るのか
- 無難にインデックス投資をするのか
- 投資は怖いから銀行預金で雀の涙の利息を受け取るのか
方法は人それぞれですが、できるだけ資産を増やせるように、目標金額なんかで蓋をせずに上を目指していくべきでしょう。
目標金額に達したら使っちゃうの?
目標金額の例のところでも少し書きましたが、投資をしていて仮に目標金額に到達したとして、それをゴールとして使ってしまうのでしょうか。
資産を育てるのは大変です。苦労して大きくしてきた資産を使ってしまえば、また1からコツコツと積み上げていかなければなりません。
しかも、種銭が小さいところからの再スタートになるので複利の力も弱く、長く険しい道になること必至です。
つまり、私からするとせっかく大きく育てた資産を使ってしまうことは実にナンセンス。だから「使ってしまうライン」である目標金額なんて(実際には使わない方がいいんだから)全然意味がない、というわけです。
老後用の資金にしてもそうです。
無事に目標金額分の資産が築けたとして、それを一度に取り崩すということはないでしょう。ある程度は生活費に回すかもしれませんが、残りは引き続き運用…ということになると思います。
それはつまりずっと運用し続けることとほぼ同じであり、やはり目標金額そのものの意味は薄いです。
投資は目標金額なんて決めずに自分に合った方法で。
これらの理由から、私は投資(資産運用)の目標金額はあまり重要でないと思っています。
目標金額は決めることよりも、むしろ自分にとって無理のない投資法を見つけ出す方が重要でしょう。
投資にはリスクが付きまとう以上、下手をすれば資産を一気に失いかねませんからね。
もちろん、目標金額があった方がいいと思うなら設定すればいいと思います。