日本電信電話【9432】とNTTドコモ【9437】、配当金投資に向いているのはどっち?

日本電信電話(略称NTT)【9432】はNTTグループの持株会社です。

一方、NTTドコモ【9437】は日本電信電話の主要子会社で移動通信事業を担っています。

どちらも3%以上の配当利回りで増配傾向。配当金投資に向いている企業と言えるでしょう。

私は以前に少し検討した結果、利回りを取ってNTTドコモを選んだ記憶があります。

その後は頭からすっぽり抜けていたのですが、先ほどおさいふプラスの「NTT(日本電信電話)の配当利回り・配当性向・配当金推移。8年連続増配で今後も期待」を読んで、またちょっと迷いが出てきたので改めて調べてみました。

私なりの結論を先に書いておくと、「当面はNTTドコモを優先するが、日本電信電話もマークしておいて急落があれば拾いたい」です。

日本電信電話とNTTドコモの比較

業績・最低購入代金・配当利回り・配当性向など

項目 日本電信電話 NTTドコモ
売上高(※1) 11兆8千億円 4兆7千億円
営業利益(※1) 1兆6千億円 9千億円
最低購入代金(※2) 約51万円 約28万円
予想配当利回り(※2) 3.32% 3.85%
配当性向(※1) 32.9% 49.6%

※1 2018年3月期実績
※2 いずれも2018年8月2日時点での数字です。

売上高は日本電信電話に対してNTTドコモが4割程度となっていますが、利益でみると5割を超えています。

NTTドコモは比較的高利益体質ということが見て取れますね。

最低購入代金はドコモの方が低いため手を出しやすいです。

また、配当利回りもドコモの方が高いです。これは私がドコモを選んだ理由の1つでもあります。

配当性向はというと、ドコモが既に50%前後で推移しているのに対して日本電信電話はまだ30%台と余裕があります。

株価の推移

直近5年間の株価推移を比べてみるとこんな感じです↓

日本電信電話の方がパフォーマンスは良いようですが、大差ないと言えば大差ないです。

直近の下落からの戻りはドコモの方が早いですね。

連続増配年数・増配率

項目 日本電信電話 NTTドコモ
連続増配年数 8年 5年
連続非減配年数 19年 16年
3年平均増配率 15.6% 16.3%
5年平均増配率 14.9% 12.9%
10年平均増配率 11.9% 8.6%

具体的な配当金額の推移は配当金チェッカーから見られます(日本電信電話 / NTTドコモ)。

どちらも継続的に増配また配当維持を繰り返してきており、直近3年では増配率がどちらも15%程度となっています。

より安定感がありそうなのは日本電信電話ですが、ドコモが明らかに劣っているとも思えません。

日本電信電話におけるNTTドコモの位置付け

日本電信電話のセグメント

日本電信電話のセグメントは5つあり、それぞれのセグメントを担う子会社は以下のようになっています。

  • 地域通信事業…NTT東日本、NTT西日本
  • 長距離・国際通信事業…NTTコミュニケーションズ、dimension data
  • 移動通信事業…NTTドコモ
  • データ通信事業…NTTデータ
  • その他の事業

色を付けてあるところがドコモの関係する部分ですね。

日本電信電話の移動通信事業を担っているのがNTTドコモというわけです。

セグメント利益

日本電信電話の各セグメントの利益は以下のような具合になっています。

セグメント別損益

出典:日本電信電話 2018年決算短信

業績のところでもチラッと書いたように、利益の半分以上を稼いでいるのが移動通信事業、つまりドコモです。

配当金投資に向いているのはどっち?

私なりの結論は最初に書いたように「当面はNTTドコモを優先するが、日本電信電話もマークしておいて急落があれば拾いたい」です。

日本電信電話の業績はドコモに依存している部分が大きいので、ドコモの成長が鈍れば日本電信電話の成長も鈍ると思われます。

逆に、ドコモがしっかり伸びている間はドコモ単体の方がパフォーマンスが良いと思います。

であれば、単純に利益率と配当利回りが高いドコモを持っていた方がコスパは良いんじゃなかろうかという判断です。

一方で、日本電信電話の方が配当性向の伸びしろがあるのは気になります。

また、日本電信電話の長距離・国際通信事業が伸びてきているのも気になるんですよね。

ここがもっと成長してきたら相対的にドコモ依存度が下がるので少し違った状況になってきそうです(といってもだいぶ先の話ですが)。

そういった観点では、日本電信電話も持っておきたい…という欲深スピリッツが燃えてきます。

日本電信電話は最低購入代金が50万円程度と高いためナンピンしづらい銘柄なのがつらいところ。

予想配当利回りが3.5%(私の購入基準利回り)を超える4850円辺りまで下げてくれれば…と思いながら監視することにします。

最後に

日本電信電話の株価が下がったら買いたいとは言うものの、そういう時はドコモも下げている可能性が高く、ドコモを買い増したい気持ちと戦う必要がありそうです。

参考:NTTドコモ【9437】は「買い」なのか。業績や配当金、今後の見通しなどから考える

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コメント

  1. N社員 より:

    NTTはここ数年はキャッシュアウト抑止や効率化を推進しており、グループ間での基幹システムやサービスの統合により、業務効率化で成長しています。この効率化の取り組みは既にピークまで達しています。NTTデータをはじめとしたグローバルICT事業へのリソースシフトや投資を加速していますが、NTT東西の固定通信サービスを含め、シュリンクしていく不採算通信サービスはNTT法により事業継続の義務があり足を引っ張られる形となっています。

    一方、ドコモに関しては、先日発表の1Qを見る限り、NTT本体の光通信事業のコラボ事業(ドコモ光)やDポイント、Dカードが伸長しており、KDDIのような付加サービスで利益を押し上げることで成長しようとしています。

    単純にPER比較でもNTTの方が割安ですし、将来を考えると、成長と割安訂正の余地が大きいのはNTTだと思います。一方で、手堅い事業で毎期収益を上げる収益バリューで安定配当を望むならドコモだと思います。

    • ぽてっと より:

      貴重なご意見ありがとうございます!
      やはりどちらも極端に良い・悪いといった感じではないみたいですね。

  2. 匿名 より:

    自己株式取得のことがすっかり抜けています。日本電信電話は余剰資金を使って毎年積極的に自己株式取得を株主還元目的に実施します。当然、株価が底堅くなりますし、キャピタルゲインも見込めます。

    • ぽてっと より:

      コメントありがとうございます。
      ご指摘の通り、すっかり抜けていましたね。
      確かに日本電信電話の方が自己株式取得をしている印象です。

      • 匿名 より:

        公開から時間がたったコメントにまで返信して下さりありがとうございます。ただ、どちらも一長一短があるのでどちらかが優れているとか正解はないです。

        ドコモは上場子会社なので自己株式取得には踏み切りにくいですし、親会社の日本電信電話への配当は出さないと行けないので配当による還元が主力です。

        日本電信電話はドコモに依存しまくりですがドコモ以外の事業とも連結しています。持株会社のため研究開発以外は自ら事業を行っておらず使いみちのない余剰資金は自己株式取得の形で還元しています。すると株価は右肩上がり傾向で配当利回りはどんどん下がっていきます。古参の長期ホルダーには向いていますが、短期的な配当利回りはどうしても低めになります。特徴を理解した上で、好きな方を買えばいいです。