配当金投資(配当金狙いの株式投資)は、株式投資の手法の中ではかなり地味で、収益性も低いと言われています。
しかし、配当金投資には毎年そこそこの配当金が貰える、株価が下がってもメンタルが安定しやすいといったメリットがあります。
また、健全な増配を続けている銘柄は緩やかではあっても株価成長が期待できます。
そんな配当金投資でもお金持ちを目指せるのでしょうか。
お金持ちの定義は色々ありますが、ここでは分かりやすく資産1億円(株の評価額1億円)をお金持ちとします。
そして、毎年の投資額がどのくらいあれば何年でお金持ちになれるのか、というのをシミュレーションしてみました。
シミュレーション例:毎年の投資額が60万円の場合
ここでは一例として以下のような前提でシミュレーションをしてみます。
- 毎年の投資額:60万円
- 税引後配当利回り:4.0%
- 配当(株価)成長率:5.0%
- 配当金は全額再投資
毎年の投資額60万円は月平均にすると5万円です。
毎月5万円ずつと聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、ボーナスも上手く取り入れれば年間60万円の投資額は割と現実的なラインではないかと思います。
税引後配当利回り4%(税引前は5%)はそこそこ銘柄が限られてくるので、場合によってはもっと要求水準を下げる必要があります。
一方で配当成長率5%はやや控えめにしてみました。例えばNTTドコモの配当成長率は過去10年の平均が8%程度あります。
利回りと配当成長率を購入する銘柄に合わせて調整すれば、さらに現実的な数字を見ることができます。
それではシミュレーション結果を見ていきましょう。ひとまず20年目までです。
毎年60万円の資金を投資につぎ込んでいくと、20年後には投資額1200万円に対して評価額3000万円超、年間配当金も100万円を超える計算になります。
しかし、まだこの段階ではお金持ちには成れていません。
「株価」および「1株配当金」は、利回り通りのバランスになっていれば何でもOKです。
また、普通は100株単位で株を買うことになりますが、ここでは面倒なので1株単位で買えることにしています。
受取配当金はその年に貰える額です。
続きを見ていきます。
33年目にして評価額が1億円を突破しています。
この計算通りにいけば、毎年の投資額が60万円なら33年でお金持ち(資産評価額1億円)になれることが分かりました。
そして金額が大きくなればなるほど資産の伸びが加速すため、40年目には評価額が2億円を突破しています。
銀行に数百万円、数千万円を預けていても利息は微々たるものであることを考えると、この評価額の伸びはなかなか夢のある数字に思えます。
加えて配当金が毎年貰えるわけですから、早くお金持ちになりたいものです…。
毎年XX万円を投資するとYY年でお金持ち
毎年60万円を投資した場合のシミュレーションでは33年目で評価額が1億円を突破しました。
毎年の投資額を異なる金額にした場合の結果もまとめておきます。
毎年の投資額 | 評価額5千万円 | 評価額1億円 |
---|---|---|
24万円(月平均2万円) | 35年 | 43年 |
36万円(月平均3万円) | 31年 | 38年 |
48万円(月平均4万円) | 28年 | 35年 |
60万円(月平均5万円) | 25年 | 33年 |
96万円(月平均8万円) | 21年 | 28年 |
120万円(月平均10万円) | 19年 | 25年 |
180万円(月平均15万円) | 15年 | 21年 |
240万円(月平均20万円) | 13年 | 19年 |
当たり前ですが、できるだけ早くお金持ちになるには投資額を増やす必要があります。
しかし、年間24万円(月に2万円)の投資であっても43年目で評価額1億円に到達するという結果になりましたから、新卒から老後に備えての資産形成としては悪くないでしょう。
下手に積立型の保険に加入したり、とりあえず貯金…なんてしているくらいなら、コツコツと株を買っておいた方が良いと私は思います。
もちろん、これらはシミュレーションに過ぎません。
投資額で欲しい株が切りよく買えるとは限りませんし、保有銘柄が減配、ひどければ倒産なんてことになる可能性も0ではありません。
ですので、取り組むにしても目先で必要な現預金は確保した上で、というのが大前提です。
最後に
毎年投資に回せる金額は収入や家族構成、生活水準などによって変わってきます。
今の自分ができる範囲のことにコツコツと取り組んでいきたいですね。