12月12日、インヴィンシブル投資法人が「自己投資口取得にかかる事項の決定に関するお知らせ」(現在、リンク切れ)を開示しました。
ポジティブな内容でしたので翌日の12月13日には投資口価格が急騰しました。
急騰といっても、ここ数ヵ月はずるずると下げていたため、それを少し取り戻しただけとも言えますが…。
私は今のところ買い増しの予定はありませんが、この後、投資口価格がどう推移していくのかは気になったので、過去に他リート(REIT)が自己投資口取得を発表した後の投資口価格の推移をチェックしてみました。
リート(REIT)が自己投資口取得を発表した後の投資口価格の推移
開示後、約3ヵ月分ほどのチャートを切り抜いてみました。
自己投資口取得の規模や、当時のリート市場全体の情勢は調査していませんので、あくまで参考程度の情報です。
いちごホテルリート投資法人(2017/10/10開示)
開示の翌日に窓を開けた上で大きな陽線を形成しています。
その後、一時は下落するものの窓を埋めないまま上昇していっています。
日本リテールファンド投資法人(2017/10/16開示)
ここは開示翌日ピークをつけてからずるずると投資口価格が下落しています。
なぜ下がったのか、そして1ヵ月後くらいにどうして上昇に転じたのかまでは調べていません。
グローバル・ワン不動産投資法人(2017/11/15開示)
こちらも開示後に窓を開けて上昇し、そこからはしばらく上昇が続いていました。
大和証券オフィス投資法人(2018/2/28開示)
開示翌日に投資口価格が跳ねて始まったものの下落して大きな陰線を形成しています。
そこからさらに下げたのちに反転し、3ヵ月後には開示前よりも高い投資口価格となっています。
日本ロジスティクスファンド投資法人(2018/3/13開示)
こちらも窓を開けて上昇しています。
日本ロジスティクスファンド投資法人(2018/9/12開示)
日本ロジスティクスファンドは今年2回も自己投資口取得をしているのですね。
2回目となるこの時もやはり窓明け後に緩やかですが上昇トレンドを描いています。
リート(REIT)の自社株買いは珍しい
上場企業が自社株買いをするのは珍しくありませんが、リートが自社株買い(自己投資口取得)をするのは珍しいように思います。
直近は分かりませんが、自社株買いの実施企業数は毎年600社前後のようです。
日本取引所グループの上場企業数は約3600社ですから、毎年、ざっくり計算で上場企業の6分の1くらいが自社株買いを行っているようです。
一方、リートは約60銘柄が上場しており、そのうち2018年中に自己投資口取得の開示があったのは今回のインヴィンシブル投資法人を含めても4銘柄だけです(10分の1以下の割合)。
厳密な比較ではありませんが、リートの自社株買いは珍しいと言ってよさそうです。
最後に
自己投資口の取得は1口当たり利益の向上につながるのはもちろんのこと、「投資主価値を向上させる意志がある」というメッセージを投資家に伝えることもできます。
自社株買いの珍しいリートだからこそ、自己投資口取得を売買の判断材料とする価値は高いように思います。