ソフトバンクの新規上場が決定。IPO投資と配当金投資の2点から整理

先日、ソフトバンクのIPOが決まりました。

ソフトバンクグループの国内通信子会社、ソフトバンクが12月19日に東京証券取引所に新規上場する。国内と海外の売り出しを通じた資金調達額は、需要動向に応じ追加するオーバーアロットメント分を含め2.6兆円超と国内では1987年のNTTを抜き過去最大となる見込み。

出典:Bloomberg

個人的な関心事は以下の3つです。

  • ソフトバンクはIPO投資の対象としてどうなのか
  • ソフトバンクは配当金投資の対象としてどうなのか
  • 保有しているNTTドコモおよびKDDIへの影響はあるのか

この3点について、おおよその方向性が分かってきたので整理しておきます。

【12月11日追記】

100株だけ抽選申込みをしていたところ、補欠当選という結果でした。

せっかくのお祭り(?)ですので購入意思表示はしておきました。

【12月19日追記】

寄り付きで売却しました。

公募1,500円に対して初値1,463円でしたので公募割れです。

しかも、その後さらに株価は下落しています。

参考:ソフトバンク株の新規上場(IPO)は公募割れ。それでも売った方が良い?どうすべきかを考える

IPO投資の対象としては悩ましいところ

今回のIPOでは約16億株が売り出され、仮条件は1500円です。

調達金額が約2.6兆円とのことですが、これは東証一部の1日の売買代金に匹敵する規模です。

仮条件で計算すると100株で15万円なので手を出しやすい金額帯ではあるものの、いかんせん株数が多いため心配になるのが公募割れ。

IPO情報を扱っているサイトをいくつか見た感じでは、

  • 売出株数が多いので当選はしやすい(複数当選の可能性もある)
  • 売出株数が多いので公募割れの可能性がある
  • 初値は少し利益が出るか少し損が出るかくらいになりそう
  • 幹事会社の威信にかけて公募割れは回避

などなどの意見が見られました。

後述するように配当利回りが高めなので「一気に株価が半分に…」なんてことはないと思いますが、応募するならリスク管理はしっかりとしておきたいところです。

また、口座開設のアフィリエイトをしているIPO情報サイトは、基本的に「初値が上がって利益が出る」というポジショントークをしがちです。

「公募割れするからソフトバンクのIPO抽選はやめとけ」と言うよりも「きっと上がるから今のうちに口座開設しておこう!」と言った方がサイト運営者は儲かりますからね。

私もアフィリエイトを利用しているのであまり人のことは言えませんが、こういったポジショントークの分は差し引いて判断する必要があります。

私は今のところ、IPOチャレンジポイント目当てでSBI証券では抽選申込をするつもりです。

それ以上申し込むかどうかは、締め切りギリギリで判断しようと思います。

株主優待の発表なんかがあればまた話が変わってきそうですし。

参考:低リスクと言われるIPO投資は儲かる?メリット・デメリットなどを調査

(追記)

11月29日、個人向けの2兆円について売出の目途がついたという報道がありました(Bloomberg)。

各証券会社がかなり力を入れてPRしていましたので、その結果が実ったと言ってよいでしょう。

ただ、公募価格以上の株価でも買いたいと思う投資家がいるかどうかはまた別の話です。

ソフトバンクは高配当利回り

ソフトバンクは株主への利益配分の方針を公開しています。

出典:株式の売出しに関する取締役会決議のお知らせ

これをもとに計算していくと、初値にもよりますがソフトバンク株の配当利回りは5%ほどになる模様です。

ソフトバンクは、投資利回りを渇望する日本の投資家を引き付けることで、より高いバリュエーションを達成したいと考えている。純利益の85%を配当に回す計画で、その比率は同業他社の40〜50%を大きく上回る。その結果、ソフトバンク株の配当利回りは5%超となり、ドコモやKDDIの4%強を上回る。

出典:THE WALL STREET JOURNAL.

配当利回り5%は高配当利回り銘柄と呼んで差し支えないでしょう。

ただし、それが配当金投資に向いているかはまた別の話です。

配当性向が85%ということなので、配当性向をさらに上昇させていくのは厳しいものがありますし、配当性向のみを基準とするなら業績が悪化した際に簡単に減配となります。

過去の実績が見えない以上、安易に配当金投資の対象とするのは危険です。

【配当性向】当期純利益に対する配当金支払総額の割合。平均は30%程度。

NTTドコモやKDDIに換金売りが出る?

ソフトバンクのIPOに限らず、大型の上場案件では投資家が資金準備のために保有銘柄を売却する「換金売り」があるそうです。

そして今回、その対象候補としてソフトバンクと同じく携帯電話事業を手掛けているNTTドコモやKDDIの名前が挙がっています。

今年最大の上場案件に対し、市場では警戒感も浮上している。ソフトバンク株を購入するためには、投資家は同額の資金を用意する必要があるためだ。購入資金を確保するため、個人が手持ちの他の銘柄を売って備える「換金売り」が膨らむ可能性がある。同じく携帯電話事業を手がけるNTTドコモKDDIなどが対象になりやすいとの見方が市場では多い。

出典:日本経済新聞

実際のところどの程度の影響があるのかは見当もつきませんが、当面は下がると思っていた方がいいのかもしれませんね。

ですが、ソフトバンクが新規上場するからといってドコモやKDDIの業績が変化するわけではありません。

にもかかわらず単純に需給の関係で株価が下がるのであれば、それは買い増しのチャンスと言えるでしょう。

もし大幅に下げるようなことがあったら、時期と資金状況にもよりますが拾っていきたいと思っています。

ひとまず、ソフトバンクの上場日となる12月19日までは注視しておきます。

最後に

初値は1,463円で公募割れという結果でした。

参考:ソフトバンク株の新規上場(IPO)は公募割れ。それでも売った方が良い?どうすべきかを考える

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