積立投資で見落としがちなリスク・デメリット

とにかく楽で手間のかからない投資法の一つが積立投資です。

【積立投資】
投資信託や上場投資信託(ETF)、ロボアドバイザーなどに定期的に一定額を入れていき、長期的な視点で資産増加を目指す投資法。

ここでは、積立商品の最終的な投資対象が株式である前提で話を進めていきます。

最終的な投資対象が株式であれば、世界経済が成長し続ける限りは積立商品の評価額が上がっていくはずです(もちろん上下はありますが)。

手軽な上に、銀行にお金を預けておくよりも高い利回りでの運用が期待できるため、積立投資を行っている人は多いですし、私もウェルスナビで積立をしています。

しかし、積立投資にも当然ながらリスクやデメリットがあります

よく耳にするものとしては、

  • 手数料などのコストが自分で株を売買するよりも高い
  • 元本割れする可能性がある
  • 短期でのリターンは期待できない
  • 一括投資に勝てない場合もある

などがあります。

【一括投資】
定期的に積み立てるのではなく、投資資金を最初にドカンと一括で突っ込む投資法。

これだけを見ると、少なくとも私は「そのくらいのリスク・デメリットなのね」と思ってしまいます。

  • 手数料…最終的にプラスになるなら多少の手数料は構わない
  • 元本割れ…これは投資をする以上、負わざるをえないリスク
  • 短期でのリターンが期待できない…楽をしているんだから仕方ない
  • 一括投資に勝てない場合もある…これも、楽をしているんだから仕方ない

こんな感じです。

しかし、積立投資にはもっと大きなリスク・デメリットがあります

積立投資で見落としがちなリスク・デメリット

最後に暴落が来たら痛い

日経平均連動のETF等で積立を行うのはいかがなものかと思っているので、米国株(ダウ平均株価)を元にして書いていきます。

例えば1999年に積立投資を開始したとします。

すると、いきなり下落相場が数年続き、2006年辺り(積立をしていればもう少し早め)でようやくプラス圏になったかと思ったらリーマンショックが起こり暴落…

次に1999年の指数を上回るのは2010年ごろです。

この間、約10年です。

下落に耐えつつ積立投資を続けられるか、という精神的なハードルもさることながら、最も強調したいのは積立投資を終えようとした時に暴落が来たら結構なダメージとなる点です。

株価のピークである1999年スタートを例に出すのは極端かもしれませんが、2018年の状況を見るに、今がまさにピークである可能性も否定できませんよね。

いま積立投資を始める、あるいは最近になって積立投資を始めたというのは、もしかしたら1999年に積立投資を始めるのと同じようなことをしているのかもしれないのです。

2008年ごろに起きたリーマンショックでは、株価が回復するのに5年ほどかかりました。

今から最低でも5年、積立投資を続けられるのか考えてみましょう。

もしもダメそうなら、積立投資はやめておいた方がいいと思います。

また、もう積立投資を始めている場合でも、今後5年間の継続に自信がないなら、たとえ含み損があったとしても今すぐ積立投資をストップしたがいいと思います。

もしも積立投資をやめて取り崩し始めようかと思ったタイミングで暴落が来てしまったら、それによる損失は手数料なんかとは比べ物にならないくらい大きいです。

「積立投資をいつ終えるのか」までは決めなくとも、あと5年以上続けられるのかどうかはよく考えるべきだと思います。

積立総額が大きくなるほど株価下落に対して脆弱になる

例えば、積立対象の商品がこんな感じの値動きをしたとします↓

横軸は月数としましょうか。

2万円から始まって1.5万円まで下落し、21ヵ月目で再び2万円に戻ったというパターンです。

毎月1万円ずつ積み立てた場合

毎月1万円ずつ積み立てていくと、株価が下がっている間は積立総額よりも評価額の方が低い、いわゆる含み損状態が続きます。

しかし、15ヵ月目を過ぎた辺りで積立の効果が出てきて、評価額が積立総額を上回ります。

21カ月目では、積立総額21万円に対して約24万円の評価額となり、「積立投資をしていてよかったね!」という話になります。

既に12ヵ月分積み立てていた場合

今度は、事前に12ヵ月分の積立投資を行っていて、かつ評価額=積立総額となっていた状態からスタートした場合を考えてみます。

毎月の積立額は先ほどと同様、1万円です。

あるいは、「初月のみ12+1万円投資し、翌月からは1万円を積み立てた」と考えても同じです。

この場合、最初からまとまった金額を運用しているため株価下落時の影響が大きくなります。

また、積立額が相対的に小さくなることから株価回復時の恩恵が小さくなってしまいます。

その結果、先ほどは15ヵ月目で評価額が積立総額よりも大きくなっていたのに対し、今回は18ヵ月目近くになってようやく評価額の方が大きくなります。

既に50ヵ月分積み立てていた場合

「既に12ヵ月分積み立てていた場合」よりも極端な例です。

既に50ヵ月分積み立てており、かつ評価額=積立総額となっている状態からのスタートで考えていきます。

あるいは、「初月のみ50+1万円投資し、翌月からは1万円を積み立てた」と考たケースです。

こうなると先ほどよりもさらに状況は悪く、20ヵ月目近くになってようやく評価額が積立総額よりも大きくなります。

つまり、株価が下落した時、積立総額が大きければ大きいほど評価額を回復させるのに時間がかかってしまうのです。

積立額が一定である以上、「積立総額に対する積立額の割合」は積み立てのたびに小さくなっていってしまいます。

それはすなわち株価下落時の回復力が弱まることを意味します。

極端な話、積立総額が1億円の状態で毎月1万円の積立を行っても、積み立ての影響はとても小さいですよね。

ですので、積立総額が小さいうちと大きくなってからでは、株価下落時の影響に雲泥の差があることをまず理解しておく必要があります。

そして積立総額が大きくなってからは、株価下落があっても耐えられるだけの猶予期間があるのか(いま暴落が来ても5年以上続けられるのか)、無理そうなら株式よりも安定性の高い商品に乗り換えたり現金化したりといった対策を考えておく必要があります。

漠然と「積立投資だから株価が下がっても大丈夫」と考えていては危ないのです。

最後に

けっこう不安を煽るようなことを書いたつもりでいます。

ですが20年30年、あるいはそれよりも長期の目線で積立投資をしているのであれば、世界経済が成長している限りは、評価額の方が積立総額よりも大きくなっている可能性が高いです。

そして、そのころに暴落が起こっても、利益がちょっと減るくらいで済むのかもしれません。

数十年間、銀行にお金を預けておくのに比べれば積立投資の方が遥かに賢明だと私は思っていますから、許容できる範囲のリスクを取りつつ投資をしていきたいですね。