米国株における絶対モメンタム戦略は債券があってこそ

前回のモメンタムの話の続きです。

モメンタムとは何ぞやという部分については、ググるなり『ウォール街のモメンタムウォーカー』(以後、本書とする)を読むなりしてください。

前回は「日経平均で絶対モメンタム戦略を使ったら上手いこといくのかな」という話でした。

結果、そもそも米国株ほど堅調に伸びていってくれない日本株では、モメンタム戦略を使えば伸びるものの、それでも大人しく米国株を買っていた方がマシという結論に至りました。

そこで今回は、本書に書かれていることが合っているのか(合っているとは思いますが)一応確認してみて、それをもとに色々と考えてみることにしました。

米国株では、絶対モメンタムが負になった時に現金化するのはNG

前回の記事で日経平均を使ってあれこれやっていた際は、絶対モメンタムが負になった場合は売り(現金化)というルールで検証を行いました。

そして今回も何の気なしにNYダウ平均株価を使って同様に検証してみたのですが…絶対モメンタム戦略はバイ&ホールド戦略にぼろ負けしました。

確かに絶対モメンタム戦略(橙色)の方が安定感はありますが、終始NYダウのバイ&ホールド戦略に負けていて、最終的には大差を付けられてしまいました。

しかし、本書内のグラフでは以下のように絶対モメンタム戦略の方が高パフォーマンスとなっています。

今回使った指標はダウ平均株価で、本書で用いられている指標はS&P500ですが、それが大差の原因というわけではありません。

今回の検証で現金化していた部分を、本書では債券インデックス(アグリゲート・ボンド)に投資しているのです。

つまり、この差は私が厳密に再現していないことによる部分が大きいです。

米国の債券は強い

日本では国債の利回りなんて無いようなものですが、米国債はそれなりの利回りで緩やかに上昇傾向にあります。

絶対モメンタムが負になったときに現金にしてしまうのか、それとも債券インデックスに投資するのかで、大きな差が生まれたというわけです。

本書に載っている絶対モメンタム戦略では年次リターンが14.38%ですが、債券インデックス(アグリゲート・ボンド)だけでも年次リターンが8%近いです。

ちなみに、日経平均で絶対モメンタム戦略を使っても年次リターンは5%弱でした。

小手先のテクニックよりも大元部分がどれほど重要なのかを痛感します。

最後に

今までは債券のことなんて気にもしていませんでしたが、今回調べてみて少し見る目が変わりました。

また、こうやって記事にしていくことでモメンタム投資への理解も少しずつ深まってきています。

  • 本書で紹介されている投資手法「GEM(グローバル・エクイティ・モメンタム)」が私にとっても現実的な存在なのか
  • モメンタムという考え方を個別株の売買にも活かせるか

この辺りを今後は考えていきたいと思います。

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