『10万円から始める高配当株投資術』の感想

先日、『株初心者も資産が増やせる高配当株投資』を読み、高配当株投資についてサラっと勉強するには良さそうな本だなぁと感じました。

しかし、せめてもう一冊くらいは同系統の本を読んでみなければ比較すらできない…!ということで買った本がこちら。

1年以上前の本ではありますが、基本的な部分はそうそう変わるものでもありません。また、具体的な銘柄に触れて書かれている部分は、現状と比較することで書かれていることの妥当性を確認することもできます。

以前読んだ本と比べると、総合的にはこちらの本の方がまとまっていていいかなと感じました。

景気や金融政策などについても一通り触れつつ、何より「失敗を極力避けること」に重きを置いています。

株初心者も資産が増やせる高配当株投資』と『10万円から始める高配当株投資術』(この本)のどちらかをお勧めするとしたら後者ですね。

ただし、「10万円から始める」は言い過ぎでしょうね。10万円では買える銘柄もかなり限られてしまいますし、銘柄を分散させるとなるとさらにハードルが上がってしまいます。

それでは前回同様、章ごとに感想などを書いていきます。

第1章 株で着実に資産をつくるために知っておくべき7つのこと

  • 日本の株価とアメリカの株価の関係
  • 為替
  • 金融政策
  • 景気動向指数
  • 暴落

などの、株価に影響を及ぼす事象について解説してくれています。

どうしても個別銘柄についてあれこれ調べたくなってしまいますが、こういったマクロな事象も理解しておくことが重要ということでしょう。

第2章 勝ち組投資家が絶対に手を出さない「買ってはいけない株」

冒頭に、

最高のリスクヘッジは「買ってはいけない株」を買わないこと

と書かれています。

有利子負債の状況や売上・利益の状況、投資信託などについて触れられています。

また、PERの見方についても解説してくれています。

この章と次章を合わせて読めば、少なくとも初心者は手を出すべきではない銘柄が分かってくると思います。

第3章 勝ち組投資家が絶対に手を出さない「買ってはいけない業種」

この章では、「銘柄」よりも大きなくくりである「業種」ごとに、買ってはいけないものをピックアップしてくれています。

金融や不動産、バイオ関連が含まれていたのはイメージ通りでしたが、国際優良株も含まれているのはちょっと意外でした。

納得できる部分もありましたので、今後の銘柄選びの際に活かしたいと思います。

第4章 すべてのシナリオで勝ち抜ける投資法 ~有望な高配当株の見極め方~

業績や配当金の推移と絡めつつ、具体的な銘柄も交えて高配当株の見極め方を解説してくれています。

銘柄選びだけでなく、買うべきタイミング(株価急落時、権利落ち後、過小評価された時)についても書かれています。

とはいえ、実際のところベストなタイミングで買うのは難しいわけです。その点についても、筆者の経験を交えつつ購入タイミングを分散させるといった実践的な方法にも触れられており好印象でした。

第5章 高配当株で1億円儲けるためにすべきこと

  • 有望な高配当株が見つかる3つの条件
  • 成功できる人、成功できない人の決定的な2つの違い
  • 株で確実に成功するための2ステップ

が書かれています。

有望な高配当株が見つかる3つの条件では、まず四季報で業績チェック、次に利益や負債を確認、最後に配当利回りや配当性向を確認、といった流れのイメージが紹介されていました。

私は最初に利回りで絞り込んでしまっていますが、やはり四季報は買うべきでしょうかね。次の号からということで…。

特別付録 高配当株有望銘柄14

最後に特別付録として「高配当株有望銘柄14」が付いています。

タイトルの通り、有望な14銘柄がデータや理由とともに紹介されています。

エフティグループが入っていたのは意外でしたが、逆にドコモやJTは入っていませんでした。

最後に

構成も文章も読みやすく、高配当株投資(配当金投資)をしたい人は読んで損のない一冊だと思います。

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