日産自動車【7201】は「買い」なのか。株価や業績、配当金、今後の見通しなどから考える

高利回り銘柄として有名な日産自動車。

リーマンショック以降の株価は緩やかに上昇してきており、目立った乱高下は見られません…と書いていましたが、直近では下落トレンドとなっています。

高い配当利回りは魅力的ですが、しばらく保有してみた結果、不安感が常に付きまとう感じが嫌だったので手放しました。

業績・年間配当・配当性向の推移

売上高
(億円)
営業利益
(億円)
年間配当
(円/株)
配当
性向
’09/3 84,370 -1,379 11
’10/3 75,173 3,116 0
’11/3 87,731 5,375 10 13.1%
’12/3 94,090 5,458 20 24.5%
’13/3 96,296 5,235 25 30.7%
’14/3 104,825 4,984 30 32.3%
’15/3 113,752 5,896 33 30.2%
’16/3 121,895 7,933 42 33.6%
’17/3 117,200 7,422 48 28.9%
’18/3 119,511 5,747 53 27.8%
’19/3
(予)
116,000 4,500 57 44.6%

10年分の業績を見ると、上り調子で来たものの頭打ちな印象です。

売上の約半分を占める北米の収益環境はあまり楽観視できないとも言われています(Bloomberg)。

一方の配当金額は業績に関わらず伸ばしてきており、2019年3月期の配当性向は44.6%(予想値)となっています。

業績が上昇に転じなければ今後もこのまま配当を伸ばしていけるかは怪しいところですが、配当性向がまだ40%台であることから、当面は増配が続くような気もします。

ただし、過去には減配(無配)もしていますから、今後の景気や業績次第では厳しい展開になる可能性も大いにあります。

また、日産自動車の大株主であるルノーのトップも務めるカルロス・ゴーン会長が逮捕されたことで、今まで通りの配当政策が維持されるのかも不透明になりました。

今は株価の下落により配当利回りが上昇していますが、減配になれば利回りも一気に低下することは肝に銘じておく必要があるでしょう。

配当と株主優待について

配当の権利日と支払日

日産自動車の権利確定日は3月末と9月末の年2回です。

目先では、

  • 2019年9月26日
  • 2020年3月26日

が権利付最終日(その日に株を持っていれば権利が貰える日)となっています。

配当金の支払いは権利確定の約2ヵ月後です。

参考までに、2018年9月に権利確定した分は2018年11月28日に入金されました。

株主優待

日産自動車の株主優待は5000円相当のカタログギフトです。

ただし、紹介した家族や友人が新車を購入しないと受けられない特典ですので、使えるタイミングはかなり限られます。

今後の見通し

中期計画を見てみると、2022年に向けて売上・利益ともに伸ばしていくとのこと。

私も業務で中期計画の作成に携わったことがありますが、まず伸びていく計画を作ることは当たり前です。だからそれを真に受けてしまうのはNGでしょう。

結局のところ、極端に売上が伸びることは当面なさそうで、良くてジリ上げか横ばい、どちらかというと下に行く可能性の方が高いイメージでいます。

なんでこんなに配当利回りが高いの?

日産自動車の配当利回りが高いのは、発行済み株式の43%を保有する親会社のルノー(フランス)が日産自動車から利益を吸い上げるためだそうです(Zai ONLINE)。

そしてこの記事の最後は「日産自動車の株価が気持ちが悪いほど安くなっているのは、いよいよルノーに食い尽くされる最終段階に入っていることを如実に示しているわけです」と締めています。

確かに利回りが高ければそこに買いが入って株価は上昇、そして利回りが落ち着いてくるという流れになるのが自然です。

しかし、そうなってないのが現状です。

では「やはりルノーに食い尽くされる前兆なのか…」と思うかというと、そこまでは思いません。

何となく不安はありますし、今後の業績も右肩上がりとは言えそうにないため利回りが上がっているのではないかと思います。

高利回りの土台にはそれなりの純利益と高めの配当性向があるわけですし。

  • それなりに配当金を出している
  • 業績の伸びがあまり期待できない
  • ルノーの件で何となく不安

といった問題や、直近でのカルロス・ゴーン会長逮捕にまつわる問題があることから、現状の高配当利回りがあると言えそうです。

合併にメリットはないのか

とにかく日産の最大の不安材料はルノーでしょう。

M&A onlineの記事では、日産に「合併メリット」はないとバッサリ言い切っています。

一方、webCGでは比較的ニュートラルな(悪く言えばどっちつかずな)感じで描かれています。

結局のところ、合併が日産自動車にとってどう作用するかは予測しづらいのです。

それがリスク要因となり、株価も押し下げられ気味なのかなと思っています。

もし合併したら株価はどうなる?

一番気になるのはここですよね。

少し調べてみたところ、

  • 株式公開買付け(TOB)が行われて高めで買われる
  • 合併比率次第では下落する

という見解がよく見られました。

どちらも一応の理解はできますが、やはりこれも結局「よく分からない」に尽きるのだと思います。

分かってれいれば株価がそっちの方向に動き出すでしょうし。

そもそも合併自体もまだ固まったわけではありません。

不安を抱えながらも様子見をしているというのが今の状況なのだと思います。

カルロス・ゴーン会長の逮捕について

11月19日、日産自動車の会長カルロス・ゴーンが、自らの報酬を過少に申告した疑いがあるとして、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で任意同行されました(朝日新聞の記事)。

同日行われた西川広人社長による会見では「ゴーン統治の負の遺産として清算、修正すべき点は1人の個人に権限が集中しすぎた点-時間をおかずに手を打つ」(Bloomberg)という発言もあったそうです。

加えて、法人の日産も起訴される見通しです(産経新聞)。

また、上場廃止説まで出ているようです(日刊ゲンダイDIGITAL)。

「たとえ上場が維持されたとしても、株価の大幅下落は避けられないでしょう。12日は9円弱上昇しましたが、その前は4日続落でした。今後、特注銘柄になると機関投資家の大量売りが発生し、株価はさらに下がります。直近10年高値の半値水準である700円の攻防が想定されます」(倉多慎之助氏)

出典:日刊ゲンダイDIGITAL

書かれている内容の妥当性がどの程度なのか私には判断できませんが、そういう可能性もあるということは知っておいた方が良さそうです。

※特注銘柄…特設注意市場銘柄の略(リンク先は野村證券の用語解説ページ)。

直近4月4日には会社法違反(特別背任)の容疑で再逮捕という報道がありました。

この問題はまだまだ長引きそうです。

2019年3月期3Q決算

前年同期比で増収減益となっていますが、業績予想は3Q決算と同時に下方修正がなされました。

主力の米国・中国市場での販売が低迷しているほか、原材料費の上昇も響いているそうです。

年間配当額は修正ありません。

まとめ

配当金目当てで買う場合は、景気後退に入った時に減配の可能性がどの程度あるのかが重要となります。

日産自動車は過去に減配していた実績がありますから、その意味ではやや不安が強いです。

一方で、直近では配当性向を上げて増配を続けてきているため、景気が悪くなってもある程度はカバーできるのかもしれません。

一方、当面はルノーの存在によって高い配当性向を維持できるとしても、今回のカルロス・ゴーン会長逮捕により今後の不透明感は増しています。

私はしばらく保有していましたが、将来の配当金の不安感の方が強かったため手放すことにしました。

売買の履歴

昨年11月の分からの売買履歴です。

私にとっては大き過ぎると感じていたポジションを、10月にようやく小さくしました。

そして11月に全部手放しました。

約定日 売買 約定単価 保有株数
17/11/15 1,069 1,000
18/01/30 1,180 0
18/04/06 1,117.5 500
18/04/16 1,127.8 900
18/10/26 986.3 300
18/11/08 1029.0 0