株式投資あるいは不動産投資について少し調べたことがある方なら、J-REIT(Jリート)という言葉を耳にしたこともあるかと思います。
Jリートの魅力は何と言っても利回りが高いことですが、Jリートにも銘柄が複数あるためどれを購入すべきか迷ってしまいがちです(そもそも購入すべきかも検討してください)。
私も随分と調べたり悩んだり、「リート おすすめ 銘柄」みたいなキーワードで検索したりもしました(出てきたサイトの銘柄の現状を見てみるとがっつり値下がりしてたり…)。
結果、あまり難しく考えてもよく分からなかったため、利回りを重視しつつリスクを分散させて複数保有していればいいでしょう、という結論に至りました。
ここでは、このような結論に至った経緯と実際に保有している銘柄について書いていきます。
※冒頭のスクショは毎回お世話になっているJAPAN-REIT.COMのREIT一覧の一部です。
J-REIT(Jリート)とは
Jリートとは簡単に言うと日本の不動産投資信託のことです。
投資家から集めた資金で不動産を購入し、その賃料収入や売買益を投資家に分配します。
Jリートは上場しているため、普通の株式と同様にインターネットでも簡単に売買ができます。
そして株式と比べて利回りが高く、その利回りに釣られて購入している人も多いのではないでしょうか。
株とリートの配当利回りの比較
普通の株式(東証一部)の配当利回り(加重平均)は2018年4月で1.79%です。
一方、リートはの平均分配金利回りは2018年5月9日の段階で4.05%でした。
利回りにかなりの開きがあるのが分かると思います。
なお、Jリートの場合は配当金とは言わず分配金という言葉を使います。
しかし、普通の株式との比較も行う上で使い分けるのは面倒なので、ここでは便宜上、配当金と呼ぶ場合があります。
Jリートなぜ配当利回りが高いのか
よく聞く説明として「利益の90%以上を投資家に分配すると法人税が免除されるから」というものがあります。
実際、リートは利益の大部分を分配していて法人税が免除されているのも事実です。
しかしこれは分配金が高い理由にはなりますが、利回りが高くなる理由としてはちょっと弱いですよね。
利回りが高い
↓
買い手が多くなって株価が上がる
↓
結果的にそこそこの利回りに落ち着く
というのが自然な流れではないでしょうか。
しかし、リートの利回りは株と同程度の水準にはならず、高い状態を保っています。
成長性が株よりも低く見積もられているから?
将来的な成長性が普通の株式に比べて低く見積もられているため、株価が上がらず利回りが高い状態になっているのでしょうか。
私は実際、2013年ごろに【8957】東急リアル・エステートをはじめとして複数銘柄を保有していましたが、日経平均に比べて株価の上昇はイマイチでした。
過去10年で日経平均と比較してみると、やはり株価は大きく下回っています。
【8957】東急リアル・エステート
東急リアル・エステートは日経平均に比べてパフォーマンスは低いですね。
一応、他の銘柄も確認してみましょう。
【8967】日本ロジスティクスファンド
おや、日経平均と同じかやや上回るパフォーマンスに見えます。
もう1つ見てみましょう。
【8985】ジャパン・ホテル・リート
日経平均を突き放す圧倒的パフォーマンス…!
銘柄によってはガンガン株価が上昇しており、将来性云々の話ではいまいち説得力がありませんね。
困りました。
少し調べたところ、
「高利回り銘柄は増資がしづらく被合併銘柄になるリスクが高い。被合併銘柄となると、合併比率にもよるが、分配金が合併前より減ってしまうことが多い。」
といった趣旨の意見も見られました。
Jリートの合併の変遷が見やすくまとまっているPDFがありました↓
ただ、過去に吸収合併された銘柄の株価をいくつか見てみましたが、吸収に伴う上場廃止直前でも株価が急落するといった傾向は見られませんでした。
この辺りは合併比率によって変わってくると思います。
吸収されるメリットの方が大きい場合もあるでしょうし、これだけを理由に高利回り銘柄を敬遠するというのはちょっとなぁという印象です。
結局のところ『ハイ・リターン=ハイ・リスク? J-REIT配当利回りをどう考えればいい?』にもあるように、
・配当利回りの低い銘柄ほど、安定性や収益性に対する投資家の評価が高い
・配当利回りの高い銘柄ほど、安定性や収益性に対する投資家の評価が低い
ということなのでしょう。
しかし、これを言ったらリートに限らず株でもなんでもそうなんですよね。
みんなが何となく株よりリートの方が危なっかしいと思っているから、リートの方が利回りが高い…とうことにして先に進もうと思います。
(追記)税制上の理由
さいもんさんのブログを読んでいたら、答えの1つが見つかりました。
簡単に言うと、株式の配当は配当控除が使えるが、リートの分配金では使えないため税金を加味した最終的な利回りが相対的に低くなる、ということです。
読んだ記事はこちら→ J-REIT(リート)は配当金生活に向くか?
今まで配当控除についてまじめに考えたことがなかったので、年末までにはよく理解しておきたいです。
株で得た所得は税率20%でいいんだ、所得税より安いじゃんラッキーくらいに思っていました…。
リスクは許容して高配当を狙う
一般的には、よく分からないものを買っちゃいけませんと言われています。
何ででしょうかね、よく分かりません。
ただまぁ、株についてもよく分かっているかと言われると分かっていない部分の方が多いですし、その点ではリートと大差ないと思っています。
であれば、どうせなら利回りの高いリートを買った方が資産全体での利回りも上がります。
そして、どうせ買うならリートの中でも高利回りのものを中心に買いたいところです。
中途半端なリートを買ってもリスクを取ってるんだか取ってないんだかよく分かりませんし。
もちろん、1銘柄に全力で突っ込むのはさすがにあれですから、リートの中でも複数銘柄に分散はさせておきます。
保有しているJリート銘柄
【3476】投資法人みらい
こちらも6%近い分配金利回りを誇る銘柄です。
- 利回りが高い
- 何となく物件の立地センスがいい気がする
- 総合型である
それだけの理由で選びました。
参考:投資法人みらい
【8963】インヴィンシブル
こちらも利回り高めの総合型リート銘柄で、物件数や時価総額は中くらいの規模です。
物件の約7割は関東地方に集中しています(取得額ベース)。
分配金は緩やかに上昇してきているように見えます。
参考:インヴィンシブル投資法人
【3487】CREロジスティクスファンド
取得時の利回りは5.62%。
物流施設主体型のリートの中では最も新しく、また利回りも最も高いです。
格付がされていないこともあり、機関投資家からの買いは入りにくいのではないかと思います(それゆえの高利回り?)。
物件は悪くなさそうですし、分配金の安定も意識した運営をしてくれているようです。
物流系のリートも1つくらい持ってていいかなーと思い購入しました。
【3249】産業ファンド投資法人
産業ファンド投資法人(IIF)は、2007年に上場した日本で唯一の産業用不動産REITです。
取得時の利回りは4.67%と、保有リートの中ではやや低めです。
それでも、何となく将来性を感じたのと、産業用不動産特化という点が銘柄分散には良さそうと感じたので購入しました。
参考:産業ファンド投資法人
関連記事:産業ファンド投資法人【3249】の分配金伸び率が良さげ。利回りもそこそこなので購入予定
【3463】いちごホテルリート(売却済み)
2018年5月9日現在、Jリートの中でトップの利回り6.43%を誇る銘柄です。
比較的新しいリート法人で、全国各地に計21棟のホテルを所有しています。
2018年4月20日にスマイルホテル浅草というホテルの譲渡について開示を行い、それを受けて株価は一時急騰しました。
譲渡益の分配は2019年1月期を予定しています。
一時的なものではあるので、その後の分配金は元に戻る可能性も大いにあるのでその点にはご注意ください。
※売却済みです。
【8985】ジャパン・ホテル・リート(売却済み)
利回りは4.5%程度で、リート全体の平均よりやや高めくらいの銘柄です。
4月末ごろまで保有していたのですが株価がだいぶ上がったため利確してしまいました(その後1株だけ様子見用に買い戻し)。
レンジ相場な感じなので、下がった時にまた買えたらいいなと思いつつ監視中です。
リートの中では珍しく優待制度があり、10口以上所有していれば宿泊やレストランの割引が受けられます。
オリエンタルホテル 東京ベイなどディズニーランド近辺のホテルを有しているのも特徴的です。
ヘルスケア施設主体型の2銘柄(売却済み)
- 【3308】日本ヘルスケア
- 【3455】ヘルスケア&メディカル
ヘルスケア施設主体型のリートは今のところ2銘柄しかありません。
簡単に言うと、何となく今後伸びるような気がしたので購入しました。
もう少し具体的な理由などは購入時の記事に書いています。
これらの銘柄も優待があるんですね。使う機会はなさそうですが…。
利回りも4.5~5%程度あります。
値動きは大口次第
私がJリートを少し買ったところで値動きへの影響は皆無であり、大口の投資家が買うのか売るのかによって株価は動いていきます(これは株も同じですね)。
しかし、分配金の源泉である物件の家賃収入はリート投資法人の頑張りや経済情勢次第ですす。
長期保有で配当金(分配金)生活を目指すのであれば、目先の値動きは気にせず優良銘柄を見つけることに力を注ぐべきでしょう。
なお、私は優良銘柄を見極める自信がないので、適当に銘柄を分散させて資金を投じています。
自信満々な専門家でも予想を外すくらいですから、株もリートも配当金だけを期待して資金を投じていく姿勢に変わりはありません。