ヘリオス テクノ ホールディングはランプ事業、製造装置事業、人材サービス事業の3本柱で事業展開を行っている、フェニックス電機が主体の企業です。
株主手帳9月号を読んでいたら名前が挙がっており、ざっくり調べたところ興味を引かれたのでもう少し調べてみることにしました。
業績・年間配当・配当性向の推移
期 | 売上高 (億円) |
営業利益 (億円) |
年間配当 (円/株) |
配当性向 |
---|---|---|---|---|
’11/3 | 139 | -5 | 5.5 | 28.5% |
’12/3 | 100 | 2 | 0 | ― |
’13/3 | 111 | 3 | 8 | 29.8% |
’14/3 | 129 | 5 | 10 | 18.8% |
’15/3 | 148 | 8 | 12 | 27.3% |
’16/3 | 257 | 11 | 15 | 33.2% |
’17/3 | 171 | 13 | 20 | 31.4% |
’18/3 | 234 | 30 | 30 | 25.1% |
’19/3(予) | 246 | 19 | 30 | 38.8% |
リーマンショック後に伴い業績が悪化し、さらに東日本大震災直後のタイミングでは新製品への移行期間も重なり営業赤字や無配となった年もあったようです。
Flat Panel Display市場において、中国を中心としたアジア市場の需要拡大を背景に設備投資が行われていましたが、それが一段落し、今後新たに生まれる市場、スマ ートフォン、タブレット端末用の配向膜製造装置、タッチパネル製造装置への投資等、意欲的な投資環境に対応するため、積極的に新たな装置の開発、受注に取り組みました。当期は、新製品への移行期間でもあり、装置産業特有の業績変動の特徴と認識しております。
― 2012年3月期決算短信より
しかしその後は業績、配当ともに伸ばしてきており、利益率も改善されてきているように見えます。
配当性向はだいたい30%前後で推移しています。
株主還元についての具体的な基準等は示されておらず、ホームページに以下のような記載があるのみです。
当社は、株主の皆様への利益還元が企業として最重要課題の一つであることを常に意識しております。
当社の剰余金の配当は、経営基盤強化を図るとともに、株主の皆様に安定した配当を継続しつつ、業績に応じた利益還元を行うことを基本方針としております。
また、セグメント情報を見ると分かるように、売上および利益の大半は製造装置事業によるものとなっています。
ですので、この製造装置事業がしっかりと伸びていってくれるかどうかが非常に重要です。
なお、自己資本比率は60%超、流動比率3倍弱で財務面は問題なさそうです。
製造装置事業の受注残高推移
利益の源泉である製造装置事業の受注残高を四半期ごとに追いかけてみました。
新規受注額は残高とセグメント売上の差し引きで計算しているため、正確な値ではないと思います。
期 | 受注残高 (億円) |
セグメント売上 (億円) |
新規受注額 (億円) |
---|---|---|---|
’17/3-1Q | 44.37 | 37.54 | 35.2 |
’17/3-2Q | 42.4 | 39.84 | 37.87 |
’17/3-3Q | 82.39 | 1.41 | 41.4 |
’17/3-4Q | 144.83 | 19.76 | 82.2 |
’18/3-1Q | 150.26 | 10.72 | 16.15 |
’18/3-2Q | 119.34 | 66.66 | 35.74 |
’18/3-3Q | 104.81 | 42.34 | 27.81 |
’18/3-4Q | 92.83 | 34.3 | 22.32 |
’19/3-1Q | 79.54 | 38.09 | 24.8 |
2018年3月期の上振れ要因となった受注は2017年の4Qに集中していたようですね。
その後は2,30億円規模の受注が続いており、それ以上のペースで消化(売上化)しているため受注残高は減少傾向にあります。
この先、受注額が伸びていくかどうかがポイントになるでしょう。
今後の見通し
2018年3月期は高精細インクジェットプリンターの大型受注を消化したことにより大幅な増収増益となりました。
2019年3月期はその反動で減収減益…かと思いきや、売上については他の製造装置や中古プラントでカバーして増収という計画のようです。それでも大型案件に比べると利益率は落ちるため、利益については減益予想となっています。
また、8月7日に公開されたフィスコのレポートには、「2020年3月期は増益基調に転じるとみられる」と書かれています。
弊社では、2019 年 3 月期の減益は一時的な現象で、2020 年 3 月期には再び増益基調に転じると予想している。
理由は、収益のけん引役となっている製造装置事業において、その構成要素となっている HRP、配向膜用フレキソ印刷機、中古プラント、MLS、保守・メンテナンスがいずれも収益拡大基調にあるためだ。
― フィスコのレポートより
実際、減益予想であるにもかかわらず減配予想ではなく配当額を維持していることからも、2019年3月期の減益は一時的なものであり、2020年3月期以降の伸びに自信があるという風にとらえることもできます。
株主優待有り・議決権行使でクオカード500円分
実はこの銘柄、ちょっとハードルは高めですが株主優待も用意されています。
1000株以上保有していないといけないので、70万円程度以上の投資で株主優待が受け取れます。
さらに、ヘリオス テクノ ホールディングは議決権行使を推進しており、指定期日までに議決権を行使すると500円のクオ・カードが貰えるのです。
最低単位の保有のみであれば配当金5円相当のインパクトがあります。
株価700円、配当金30円、ならば、クオカードを含めた利回りは5%になります。
売買の履歴
まだありません。
中間配当のない銘柄ですし、私はしばらく様子を見てもいいかなと思っています。
2Q以降の決算で受注残高が増えたのを確認してから買っても遅くはなさそうです。
とはいえ最低購入代金が7万円程度と安めなので、何かのタイミングで100株だけ買っておくかもしれません。
…と思っていたら好材料が出て爆上げしていました。ちょっと悔しい…。