東証の市場再編計画による株価への影響は?保有銘柄をチェックしてみた

東京証券取引所が、東証1部への上場に必要な企業の時価総額基準を引き上げる方向で検討に入ったそうです(2019.2.11 読売新聞)。

また、市場再編についても検討が進められています。

東証1部の中から、特に時価総額が大きい企業を集めた「プレミアム市場」を作る案が出ている。残りの3市場は、成長が見込める企業と、業績が安定した老舗企業が上場する2市場に集約する案が有力だ(2019.2.11 読売新聞)。

まだ分からない部分も多いですが、保有銘柄の時価総額をあまり気にしていなかったので、これを機に確認しておくことにしました。

検討されている市場再編案

2019年2月11日現在で分かっている市場再編案はこんな感じです↓

まだ案なので最終的にどうなるかは分かりませんし、参考にしたニュース記事によっても微妙に表現が異なっているので、今の段階では雰囲気だけ知っておけばいいと思います。

ただおそらく、現在の東証1部は企業数が多すぎるため、現在の東証1部の半分以上は格下げ、あるいは上位の一部が格上げのような形になるのではないかと思われます。

時事ドットコムの記事では、最上位の市場について「時価総額500億~1000億円を基準として、約600~1000社に厳選」といった具体的な数字で言及されています。

2018年2月8日時点では、時価総額500億円以上の東証1部上場企業は1,016社あり、そのうち時価総額1,000億円以上のものは695社ありました。

市場再編実現へのハードルは高いそうですが、他に情報もないのでとりあえずこの数字をもとに考えていきます。

【追記】

2019年3月15日、東証をプレミアム市場、スタンダード市場、エントリー市場という3市場に再編するという案が報じられていました(毎日新聞)。

東証の市場再編による影響で株価はどうなる?

まず、よく言われる影響は「東証1部から格下げされた企業の株が売られる」というものです。

東証1部から格下げになる

TOPIXの構成銘柄から外れる

TOPIX連動ファンドに売却される&その売却を見越した投資家にも売却される

たくさん売られる

といった流れです。

仮に時価総額500億円がボーダーラインだったとしても東証1部上場企業の半数は降格となってしまいます。

ボーダーラインが時価総額1000億円であったら3分の2が降格です。

降格になりそうな銘柄を保有している場合は要注意ですね。

逆に、東証1部に残った企業は今まで以上に買われることになるでしょう。

降格になった企業の株を売ったお金がそのまま宙ぶらりんになるとは考えづらく、おそらくは残った時価総額上位の銘柄に流れていくことになります。

冒頭で紹介した読売新聞の記事に書かれていた「プレミアム市場」の案で進むなら見え方は若干変わりますが、お金の動き方は降格する場合と変わらないような気がします。

また、明らかにボーダーラインまで届かなさそうな中・小型企業についても、昇格を諦めることによる株主優待の廃止などといった懸念事項があります(参考:なちゅの市川綜合研究所 – 「【私見】東証再編による中小型株・優待株への影響について。」)。

市場再編となれば少なくともこれだけの影響は出る可能性があるので、保有銘柄についてもチェックしておく価値は十分にあるでしょう。

保有銘柄の時価総額と順位

現在保有しているのは10銘柄ですが、うち3銘柄はリートですので、東証再編と直接関係がありそうなのは7銘柄となります。

それら7銘柄について、時価総額とその順位を調べました。

企業 時価総額 順位
【9437】NTTドコモ 9兆6505億円 3位
【9432】日本電信電話 9兆283億円 4位
【9433】KDDI 6兆7250億円 8位
【2914】JT 5兆3350億円 14位
【7751】キヤノン 4兆1866億円 23位
【8766】東京海上ホールディングス 3兆7920億円 30位
【7148】FPG 933億円 724位

※2019年2月8日時点

調べる前から薄々分かっていましたが、見事に時価総額の大きい銘柄ばかり保有していたようです。

NTTドコモって、親会社の日本電信電話より時価総額が大きかったんですね…。

ともあれ、さすがに時価総額が兆を超えていれば、少なくとも時価総額ベースでの足切りには引っかからずに済みそうです。

FPGだけは時価総額が1000億円未満なので、もしかしたら東証1部のボーダーラインに引っかかってしまうかもしれません。

しかしFPGは市場の鞍替えを繰り返して東証1部上場を果たしたことで、「優秀な人材を確保できた、販売面でも好影響があった」といった内容のことを社長が語っていました(この辺りはどの東証1部上場企業でも同じだと思いますが)。

ですので、ボーダーラインすれすれにあるとなれば、意地でも株価を上げて時価総額を持ち上げてくるのではないかと思っています。

むしろFPGは今期の業績がどうなっているかの方が不安要素ではあります…。

そんなわけで、私の保有銘柄については「市場再編があったとしてもマイナスの影響はそこまで受けないのでは」という気楽な結論に至りました。

東証1部以外に上場していて時価総額の高い企業は強制昇格になる?

各企業の時価総額を眺めていたら、2017年に東証2部へ降格となった東芝が目に入りました。

時価総額は2兆円弱ありますから、時価総額だけで見たら十分に上位です。

市場再編を機に1部復帰を果たしたり?なんてのが頭に浮かびました。

また、ジャスダックやマザーズには、マクドナルドやメルカリを始めとした時価総額1,000億円を超える企業が24社あります(500億円以上なら約60社、いずれも2018年2月8日時点)。

これらの企業はどのような扱いになるのでしょうね。

市場再編の目的には各市場の特性を鮮明にするということも含まれています。

上場等に関するルールはあまり分かっていないので適当ですが、強制か任意かはさておき、ジャスダックやマザーズの時価総額が大きい企業についても何らかの動きがあるのではないでしょうか。

最後に

東証の市場再編が実現するとなれば、色々と面白いことになりそうです。

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