JT(日本たばこ産業)が株主優待制度を変更!新制度の優待を受け取るにはどうすればいい?【2914】

【2914】JT(日本たばこ産業)が株主優待制度の変更を発表しました。

参考:株主優待制度の変更に関するお知らせ(2018年11月26日)

大きな変更点としては、優待の実施が年2回から年1回になったことと、継続保有1年以上という条件が加わったことが挙げられます。

いまJT株を持っていなければ2019年12月の優待は受け取れない

新制度の適用は来年(2019年)12月末に権利確定する分からとなりますが、継続保有1年以上という条件が加わりましたので、新制度の優待がいち早く欲しい人は2018年12月の権利付最終日までにJT株を買っておき、それを1年間握りしめておく必要があります

逆に、今の時点でJT株を持っていない人は2019年12月の株主優待を貰うことができません

いまJT株を持っていない人は2019年12月の優待は諦めて2020年12月の優待を狙いましょう。

2020年12月の株主優待が欲しい場合は、まず2019年12月の権利付最終日(12月26日)までにJT株を購入しておきます。

そしてそれを売却せずに2020年の権利付最終日まで保有していれば、無事に2020年12月の株主優待を受け取ることができます。

株主優待制度の変更点

変更内容

今回の優待制度の変更内容はざっくりまとめると以下のようになります。

  • 基準日:6月と12月の年2回 → 12月のみの年1回
  • 対象株主:保有期間問わず → 継続保有1年以上
  • 優待内容がやや豪華に
    • Aコース:1000円相当 → 2500円相当
    • Bコース:2000円相当 → 4500円相当
    • Cコース:3000円相当 → 7000円相当
    • Dコース:6000円相当 → 13500円相当

注意点

1年以上の継続保有が不可欠

新制度に移行後は、優待実施の対象となる条件に「1年以上の継続保有」が加わりました(今までは特に条件なし)。

そのため、権利日直前に購入して権利落ち後に売却…といった方法では優待が受け取れなくなります

長期保有を前提とした投資家にとっては問題ありませんが、優待のタダ取りを目論んでいる人にとっては厳しい変更点です。

この変更の根底には、「今後とも当社株式を中長期的に保有していただき、より一層のご支援をいただきたいとの考え」(出典:株主優待制度の変更に関するお知らせ)があると思われます。

継続保有について

継続保有といっても、JT株を毎日保有しているか確認されているわけではありません。

株主優待制度の変更に関するお知らせによると、

1年以上継続保有とは、同一株主番号で、 3 月 31 日現在、 6 月 30 日現在、 9 月 30 日現在 及び 12 月 31 日現在の株主名簿に、連続して5回以上記載又は記録されていることが条件となります。

とのことです。

つまり、決算のタイミングで保有していれば、常にJT株を保有している必要はないということです。

しかし、保有株式をすべて売却して買い戻したりすると株主番号が変わってしまい、「継続保有していない」と判断されてしまう場合があるそうです。

損出しクロスをする際にも注意が必要ですね。

JT株の購入時期によっては2019年12月の優待を貰えない

現行の株主優待制度は2019年6月分までとなります。

そして新制度は2019年12月分からとなります。

この移行スケジュールと、新制度では1年以上の継続保有が必要という点を合わせて考えると、JT株を購入するタイミングによって以下のような場合が考えられます。

【2018年12月の権利日に購入した場合】

  • 2018年12月分の優待…受け取れる
  • 2019年6月分の優待…受け取れる
  • 2019年12月分の優待…受け取れる

【2018年12月の権利日に購入した場合】

  • 2018年12月分の優待…受け取れない
  • 2019年6月分の優待…受け取れる
  • 2019年12月分の優待…受け取れない

2018年12月の権利日前にJT株を購入しておかないと、2019年12月の権利確定日時点で1年以上保有していたと判断されず、2019年12月の優待を受け取ることができません。

したがって、冒頭でも書いたように、2018年12月の権利付最終日までにJT株を買っていなかった人は新制度の優待(2019年分)は受け取れないということになります。

優待の実施回数は半減したが優待内容は倍以上に

優待の実施回数が年2回から年1回と半減したので、単純に考えれば優待の内容は倍の金額相当になります。

しかし、変更後の優待内容を見ると金額換算で倍以上になっており、お得感が増しています

例えばAコースなら1000円相当×年2回なので、単純に考えると変更後は2000円×年1回となる。ところが実際には2500円×年1回となっており、相当額が25%もアップしている。

JTの株主優待の歴史

少し気になったのでJTの株主優待の歴史を調べてみました。

まず、JTの株主優待は2004年に導入されました。

当時は「1株(※)以上保有していれば一律で2000円相当の自社商品」という優待内容でした。このころから年2回の優待が実施されています。

※当時の1株=現在の200株

2008年になって、保有株式数によって優待の内容が変わるようになりました。「1株(※)以上5株未満」と「5株以上」の2区分です。

※当時の1株=現在の200株

そして2012年に、株式分割と合わせて現在実施されている4区分(A~Dコース)に変わりました。

こんな感じで、JTの事業を理解してもらったり、投資家層の拡大を図ったりすることが目的での優待実施および変更が行われてきたことが分かります。

今回の変更はJT株の中長期保有を促すのが目的のようですから、今までの変更とは少し色合いが違って見えますね。

優待制度変更に関しての雑感

コスト削減につながりそう

まず、年2回だった優待が年1回になるので、準備や配送などの作業負担が軽減しそうです。

加えて1年以上継続保有している株主のみが対象となるため、優待の実施数はだいぶ減るのではないかと思います。

優待の内容はやや豪華になっていますが、おそらくそれ以上のコスト削減効果が期待できそうです(そもそもコスト増になるような優待変更はしないとは思います…)。

といっても、業績への影響は微々たるものだと思います。

優待内容は量が増えるだけだときつい

現在の株主優待の内容は、ごはんやカップ麺、スープなどの詰め合わせなどです。

これが年1回になって量は2倍、なんてなると、ちょっと置き場に困ってしまいそうです。

冷凍さぬきうどん20食が届いても、冷凍庫に入り切るか自信がありません。

もう少し高級な商品もラインナップに加わってくるのでしょうかね。

株主優待の中身がどう変わるのかはけっこう気になるところです。

株価にはプラス材料か

今回の発表に触発されて株を買おうとする人が少しはいるような気がします。

また、新制度の優待目当てで買った人はそうそう手放すことはないでしょうから、この辺りは株価へのプラス材料と考えて良いでしょう。

一方のマイナス面は特に浮かびません。

「今期の着地あるいは来期の業績予想がけっこうヤバいので先に投げ売り防止策を打っておいた」とか「その他の悪材料を出す予定」とかはあるのかもしれませんが、どうなんでしょうね。

少なくとも見えている情報から判断すれば、今回の優待変更はプラス材料に思えます。

とはいえ、優待なんて気にしていない大口投資家の動向の方が影響が強そうですから、今回の発表で株価がどうこう…なんてのは考えづらいです。

最後に

正直なところ私は「株主優待は廃止して配当金を増やしてほしい」と思っています。

しかし、その願いが叶うことは当分ないでしょうから、来年の株主優待のラインナップを楽しみにしておこうと思います。

目指せ2000株!

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