ぼちぼち景気後退局面に差し掛かっているのかなぁとか思いながらネットサーフィンをしていたところ、こちらのブログ記事を発見。
『「13年間で学んだこと②」 株はできれば「景気の悪い時期」にたくさん買いたい 』
この記事の中に、米国の失業率とS&P500の関係を示したグラフがありました。
失業率は一般的かつ有名な指標なのでご存知の方も多いと思いますが、これがまたいい感じに株価と逆の動きをしているんですね。
しかもデータの出所も明記してくれていて、生データが欲しい身としては非常にありがたいです。
というわけで、さっそくデータを取ってきてグラフを作り、あれこれ考えてみました。
米国の失業率とNYダウ平均株価の関係
米国の失業率とNYダウ平均株価のグラフを見てみましょう。
NYダウの数値はNYダウ平均株価の長期月足データから、米国の失業率はこちらのサイトから持ってきました。
90年代後半まではあまり関係性がないように見えます。失業率が上下しているにも関わらず株価はほぼ右肩上がりで推移しています。
しかし、ここ最近…例えば95年以降を切り取ってみると、綺麗に逆の動きをしていることが分かります。
失業率が上がり始めてからしばらくは株価も下がり続ける傾向があるように見えます。
失業率は遅行指数と言われていますが、株価が下がりきるまでにはタイムラグがあるのです。
そのため、失業率上昇の初動を捉えられれば、株価下落による投資資本の毀損を最小限に抑えることができるはずです。
ただし、失業率がピークを付ける前に株価は底打ちする模様。買い戻しの判断材料には使えそうにありません。この辺りはさすがに株価が先行指数と呼ばれるだけのことはありますね。
なお、米国の失業率が発表されるのは毎月第1金曜日です。
今までは気にしていませんでしたが、今後は毎月チェックしていこうと思います。
まだ失業率は上がってきていない
2018年9月および10月の失業率は3.7%と、いずれも低い水準で落ち着いています。
単月だけ上昇することはたまにあるので、2ヵ月続けて失業率が上昇してきたらいよいよかな…と個人的には考えています。
ちなみに、直近で2ヵ月連続で失業率が上昇したのは2017年1月と2013年1月です。
この2つのタイミングでは失業率が上昇に転じたわけではなかったので、2ヵ月続けば確実に景気悪化というわけでもありません。
一応、2001年および2008年には3ヵ月連続で失業率が上昇していたことから、3ヵ月連続なら”ホンモノ”な可能性が高いです。そのタイミングで判断した場合に株価下落から逃げ遅れずに済むかは微妙なところですが。
日本株も、米国の失業率を見ていればいいような気がする
日本の場合も、失業率と株価はそれなりに逆の動きをしています。
しかし、日本の失業率は数値が公表されるのが米国のそれよりも1か月近く遅いのが難点です。
また、近年は日本株と米国株の相関が強いため、もう米国の失業率だけ見てればいいような気がしてしまいます。
先ほどの85年からのグラフに日経平均(水色)を追加したのが下のグラフです。
バブル期、すごい。
そして95年以降だけにしたものがこちらです↓
2000年に入ってからはほとんど同じような動きをしています。
今後もずっとこの調子でいくのかは分からないので、日本の失業率もちゃんと見ておく方が無難だとは思います。
最後に
インデックス投資はモメンタムを使ってのんびりやればいいかなと思っていましたが、やはり可能なら景気後退にさっさと気づいて対処したいところです。