センチュリー21・ジャパン【8898】は「買い」なのか。株価や業績、配当金、今後の見通しなどから考える

センチュリー21・ジャパン(以下、センチュリー21)は伊藤忠系の不動産フランチャイズ企業です。

CMを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

不動産系の事業を行ってはいますが、自らは施工や売買、賃貸等を行わず、フランチャイザー(チェーン主)として加盟金やサービスフィー等を受け取って利益を出しているのが特徴的です。

見かけた時の配当利回りが3.8%程度と高めだったので気になって調べました。

業績・年間配当・配当性向の推移

営業収益
(億円)
営業利益
(億円)
年間配当
(円/株)
配当性向
’09/3 26 8 30 63.6%
’10/3 25 8 30 59.6%
’11/3 34 8 30 63.0%
’12/3 32 8 30 60.6%
’13/3 33 9 30 51.9%
’14/3 34 10 30 47.1%
’15/3 35 10 40 57.9%
’16/3 38 11 45 55.9%
’17/3 41 13 50 56.2%
’18/3 40 12 50 58.4%
’19/3 41 12 50 64.9%
’20/3
(予)
42 11 50 62.2%

営業収益(売上みたいなもの)、営業利益ともにジリジリと伸ばしてきており、それに伴い配当額も増加傾向にあります。

配当性向は60%前後で安定しているようです。
このまま業績が伸びていってくれれば、それに伴い配当金額も増加していくものと思われます。

ただし、ここ数年は足踏みをしているようにも見えます。

自己資本比率80%超、流動比率700%超で財務面は盤石です。

以下は更新していない部分もあります。

配当と株主優待について

配当の権利日と支払日

センチュリー21の権利確定日は3月末と9月末の年2回です。

目先では、

  • 2019年9月26日
  • 2020年3月26日

が権利付最終日(その日に株を持っていれば権利が貰える日)です。

2018年9月に権利確定した分は、2018年12月3日に入金されました。

3月に権利確定する期末配当は6月終盤に入金されるようです。

株主優待(実施なし)

センチュリー21は株主優待を実施していません。

センチュリー21のビジネスモデル

センチュリー21は、直営店を持たない不動産会社という独特なポジションにいます。

そして不動産のフランチャイザーとして、加盟店に対するノウハウやシステムの提供、テレビCMなどの共同広告の実施等を行ってフィーを受け取るビジネスモデルとなっています。

全国にある1,000店近い加盟店から毎年安定してフィーを受け取れることから、業績はとても安定しています。

とはいえ加盟店が行っているのはもちろん不動産事業ですから、今後もし不動産市況が冷え込んでくると、必然的にセンチュリー21の業績も落ち込んでくる可能性があります。

しかし、不動産業界の景気が悪くなってきたタイミングで加盟店が抜けるか…?と考えると、むしろセンチュリー21および加盟店同士で知恵を出し合って乗り切る方向に力が働くものと私は思っています。

ですので、「不景気時に加盟店が持ちこたえられず大量倒産」なんてことにならない限りはセンチュリー21は大丈夫と言えそうです。

言い方は悪いですが、リスクを取って不動産を売買・保有しているのは加盟店です。

そして何かがあった際にまず痛手を負うのはその加盟店ですが、センチュリー21からすれば加盟店の1つが打撃を受けたにすぎません。

個々の不動産会社の株を買うよりも安全性が高いと私は考えています。

センチュリー21の株を買うということは、非上場の不動産会社の株を組み合わせたファンドのようなものを買っているという認識でいます。

もちろん不動産業界の景気が悪くならない限りは、経営努力で加盟店数を増やしていきつつ加盟店の売上を伸ばしていくことで、センチュリー21自体の営業収益も伸びていくことでしょう。

ちなみに、センチュリー21自体は不動産の売買等を行わないため、この会社はなんと不動産の免許は持っていません。

けっこう持ってる有価証券

なんとなく短信を眺めていたら、センチュリー21は有価証券をけっこう保有していることに気づきました。

「有価証券」が38億円。

投資有価証券も約10億円ほど保有しています。

2018年3月期末の資産合計が65億円ですから、資産の7割以上が有価証券ということになります。

有価証券の中身までは分かりませんが、受取配当金は3千万円程度となっていますから、リスクを取った運用はしていなさそうです

3千万÷38億≒0.79%…年利1%未満での運用?

それでも、保有している金額が大きいので、3千万円超の配当金収入はそれなりにインパクトがあります。

税引前当期利益12億円に対する3千万円の影響は2.5%

ただ現預金として保有しているのではなく運用して少しでも利益を増やそうとしている点には好感が持てます。

現預金の変動はほとんどないので、当期利益から税金と配当を除いた分をそのまま有価証券の購入に回しているといったイメージでしょうか。

今後の見通し

2018年3月期は、5店舗を保有している大型のグループが退会したことにより減収減益となっています。

しかし、2019年3月期は新規店の増加および既存店の売上増、そしてITサービスに伴う売上増により増収増益を見込んでいるようです。

新ビジュアルアイデンティティというのは、ブランドアイデンティティの刷新、そしてそのロゴマークの刷新といったことを指すようです。

もちろんその根幹には何らかの狙いがあるのでしょうけれど、詳細は『秋の戦略会議』(2018年8月以降)で発表されるようです。

2018年3月期に関する話は下の参考記事に詳しく書かれていました(決算説明会の書き起こし?)。

じっくり読みたい方は読んでみると面白いと思います。

参考:センチュリー21、18年営業収益は前年比98% 大型加盟店退会が響く

売買の履歴

約定日 売買 約定単価 保有株数
18/06/15 1,302円 100
18/07/31 1,250円 200
18/11/02 1,230円 0

大元の市場が不動産でリートと被ってはいますが、業態は異なるので少しくらいは保有してもいいかなという判断で買いました。

買ってOKな利回りですし。

13万円くらいで100株買えるので、この後さらに株価が下がっても楽に買い増しができます。

1250円まで落ちてくれれば利回り4%です。

(7/31追記)

決算明けで株価が下がりましたが、想定の範囲内だったことと利回り4%到達ということで100株買い増しました。

(11/2追記)

ドコモの株価が下がったことで利回りも含めた魅力がドコモの方が上と判断し、キャッシュ確保のためにここを売却しました。

配当金投資の銘柄分散をしたくなったらまた買うかもしれません。

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