利益超過分配金を受け取る機会があったので、具体的な数字に基づいて状況を確認してみました。
利益超過分配金については過去に記事を書いており、そこに追記した分の抜粋です。
CREロジの利益超過分配金で具体例をチェック
例として扱うのはCREロジスティクスファンド投資法人(以下、CREロジ)の分配金です。
2018年12月期に権利確定した分配金は1口当たり3,351円ですが、そのうち372円は利益超過分配金です。
そして、この利益超過分配金はすべて出資等減少分配(みなし譲渡)に該当するとのことです。
受け取れる金額と源泉徴収
私はこのときCREロジを4口保有していたため、受け取れる分配金は3,351円×4口=13,404円となります。
次に実際の入金額を見てみましょう。
入金額は10,985円で、受け取れる分配金の13,404円よりも少ないですね。
しかしこれは税金が源泉徴収されているから当然です。
そこで譲渡益税を見てみると、今回の分配金について徴収された税額は2,419円であることが分かりました。
現時点で株式の配当や譲渡益にかかる税率は20.315%ですので、分配金の13,404円×20.315% を計算すると2,419円になると思いきや、これがなりません。
なぜなら、分配金の一部(今回は1口当たり372円)は出資金等の戻り、つまりみなし譲渡に該当するからです。
ですので、税金計算の土台となる配当金収入は、みなし譲渡分を除いた分配金(1口当たり2,979円)×4口=11,916円となります。
そして 11,916円×20.315%≒2,419円 となり、源泉徴収額と一致していることが確認できます。
出資等減少分配(みなし譲渡分)
続いてみなし譲渡の方を見ていきましょう。
みなし譲渡分の分配金は1口当たり372円です。
また、減少剰余金等割合は0.004(つまり0.4%)とのことです。
2018年12月末時点での、私のCREロジの取得単価は110,719円でしたので、
110,719×0.4%≒443円が取得単価の減少分となります。
実際、いま口座管理画面でCREロジの取得単価を見てみると110,277円となっており、しっかりと減少していることが分かります。
取得単価の減少という強制的な損出しのような効果が1口当たり-443円分ある一方で、みなし譲渡分の分配金は1口当たり372円分あります。
これを保有口数全部で考えると
(-442円+372円)×4口=-284
となり、トータルでは損となります。
損益的には”損”なので源泉徴収はされていません。
でも、みなし譲渡分の分配金は現金で入金されています。
分かってしまえばそこまで不思議ではありませんが、ややこしいですね…。
最後に
他の証券会社がどうなのかは分かりませんが、SBI証券の場合は税引後の金額が入金額として表示されるのみとなっています。
配当金・分配金を一度そのまま入金額として表示して、そこから源泉徴収分を出金扱いにしてくれれば分かりやすいのに…と、ふと思いました。