※2020年2月4日にMBO(経営陣が参加する買収)の発表がありました。
オーデリックは照明器具の製造販売会社です。
照明器具の企画開発から製造、物流、販売までを一貫して行っており、国内工場での生産にこだわっています。
売上の大半はLED照明器具です。
数年前までは蛍光灯や白熱灯の割合もそこそこありましたが、直近では売上の95%以上がLED照明器具となっています。
業績・年間配当・配当性向の推移
期 | 売上高 (億円) |
営業利益 (億円) |
年間配当 (円/株) |
配当性向 |
---|---|---|---|---|
’09/3 | 232 | -1 | 40 | ― |
’10/3 | 217 | -2 | 15 | ― |
’11/3 | 232 | 5 | 15 | 23.5% |
’12/3 | 251 | 11 | 25 | 12.7% |
’13/3 | 301 | 25 | 50 | 19.7% |
’14/3 | 364 | 45 | 100 | 21.7% |
’15/3 | 357 | 42 | 100 | 22.4% |
’16/3 | 382 | 46 | 130 | 25.4% |
’17/3 | 379 | 48 | 140 | 24.2% |
’18/3 | 373 | 48 | 150 | 27.6% |
’19/3 (予) |
387 | 50 | 170 | 29.3% |
リーマンショック後のタイミングでは営業赤字となり、’10/3には減配となっています。
しかしそこからは売上・利益ともに伸ばしてきていています。
’17/3と’18/3は減収でしたが、利益率は向上しているようで利益は増加または横ばいとなっています。
’19/3は増収増益の予想となっており、まだまだ成長の勢いは止まらないようです。
また、直近では配当性向も徐々に伸びてきています。意図があるのか無いのかは分かりませんが、株主視点からするとありがたいですね。
なお、オーデリックの財務面は自己資本比率は70%超、流動比率約400%、現預金もたっぷりで問題ありません。
調査時点での株価と配当利回り
2017年の秋ごろに株価5,000円を超えてからは下落基調です。
ただ、5月11日の決算発表で増配の予想も出したため、それを受けて株価が跳ね上がっています。
オーデリックの株主還元に関する言及がどこにも見当たらなかったので、少なくとも株主還元に積極的というわけではないのでしょう。
それでも業績が伸びれば増配はしてくれていて、現状では配当利回りが高い状態となっているので配当金重視での投資をする分には問題なさそうです。
なお、上場している市場がジャスダックということもあり、出来高が少ない点には注意が必要です。
今後も業績は伸びていくのか
オーデリックは株主還元に積極的というわけではないため、業績が悪化すれば減配となる可能性も大いにあります。
現預金はたっぷりあるので業績が悪化しても配当額を維持してくれる可能性はありますが、業績が伸びて増配もしてくれるならそれに越したことはありません。
今後の見通しを短信から読み取ってみましょう。
今後のわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善が続く中、景気回復基調が持続すると見られますが、海外経済の不確実性などから先行きは不透明な状況が続くものと思われます。建設市場におきましては、民間の設備投資は引き続き増加していくことが期待されますが、住宅投資については、人口減少から新設住宅着工戸数の漸減が見込まれます。このような環境のもと、当社グループにおいては照明制御システム「コネクテッドライティング」のラインナップ充実、機能性・操作性の向上を図り、普及拡大に向け取り組むとともに、非住宅分野向け営業展開のさらなる積極化により、確実な成長を図ってまいる所存です。
日本では人口減少が続いており、その影響で新設住宅の着工戸数が減っていくのは避けられません。
そこでオーデリックは非住宅向けの営業展開をさらに積極的に行っていくようです。
そしてもう1つ、具体的に書かれていた言葉がコネクテッドライティングです。
コネクテッドライティング
コネクテッドライティング(CONNECTED LIGHTING)は無線でつながれた複数の照明器具をコントロールできる照明システムです。
説明によれば、遠くの照明器具であっても、近くの照明器具を中継することでコントロール可能となるようです。
つまり、このコネクテッドライティングを導入するということは、家中の照明をごっそり入れ替えることになります。
上手く普及できればかなりの需要になりそうです。
また、コネクテッドライティングでの照明コントロールはスマホアプリからも行えます(iOS / Android)。
しかし、ストアのレビューを見るとアプリ自体の使い勝手はイマイチのようです…。
改良に取り組んでいる最中なのかリソースが足りていないのか分かりませんが、個人向けに売るならアプリの方も何とかした方が良さそうですね。
海外売上高はごくわずか
直近のデータは見当たりませんでしたが、2017年3月期の決算説明資料によれば、このときの海外売上比率は1%未満とのことです。
海外への展開加速は中期経営計画の重点施策にも掲げられており、ここが伸びてくればさらなる成長が期待できます。
売買の履歴
まだありません。
最低購入代金がそれなりなので足踏みしています…。
なんとなく、他の銘柄を買い増しした方がいい気もしちゃって手が出せずにいます。