12月6日はファーウェイ・ショックとやらで日経もダウも大きく値を下げました。
中国通信大手、華為技術(ファーウェイ)の幹部が逮捕された衝撃がアジアの株式市場に広がった。6日の東京市場では日経平均株価が3日続落し、取引時間中には前日終値比の下げ幅が一時600円を超えた。米中の対立は今後、一段と激化するとの懸念が強まる。米国が中国のハイテク分野を押さえ込もうとする動きに日本勢も巻き込まれかねないとの警戒感が広がった。
しかし米国市場においては、
取引終了直前になって、中央銀行にあたるFRBが利上げのペースを緩めるのではという一部報道が流れたことから大きく値を戻し、終値では前の営業日より79ドル安い2万4947ドルで取引を終えています。
TBS NEWS
と、米金利を材料に値を戻した形になっています。
これらについて、自分の頭でも少し考えてみようと思います。
ファーウェイの幹部が逮捕されたのは12月1日
ファーウェイの幹部逮捕が明らかになったのは12月5日でしたが、実際に逮捕されたのは12月1日だったそうです(TechCrunch)。
そのことを踏まえると、12月4日の下げなんかはけっこう怪しく見えちゃいますね。
12月4日の日経平均については、
1.日経平均は8日ぶり急反落、利益確定売り噴出で500円超の下げ
2.朝方売り買い交錯もその後は次第安、一方通行の下げでほぼ安値引け
3.米中摩擦緩和で米国株急伸も、日本株は先に織り込み連騰の反動出る
4.米長期金利が時間外で低下、円高嫌気され全体の9割超の銘柄が下落
5.後場は海外投資家とみられる先物への大口の売りが裁定解消売り誘発
なんて言われています。
確かにその前に8日連続で上昇していましたし、チャートを見ても下げておかしくない状況だったとは思います。
それでも下げ幅が下げ幅ですし、幹部逮捕の情報を公表前に知っていた大口投資家が売っていたのかも…なんて勘ぐってしまいます。
FRBが利上げのペースを緩めるのではという一部報道って?
この一部報道って何なんでしょうね。私の力では元情報を見つけることができませんでした。
ファーウェイの幹部逮捕の件で株価が大変なことになっては困るから、プラス材料を上手いこと流したのでしょうか。
日本国内であっても一次ソースにたどり着くのはなかなか大変なのに、海外の話となるともうお手上げです…。
米中貿易摩擦と米金利に挟まれて
最近は米中の貿易問題と米金利によって揺さぶられてばかりな気がします。
貿易摩擦が緩和されそうになれば株価が上がり、逆に今回のハーウェイ幹部逮捕のようなことが起これば株価は下がります。
金利にしても、利上げペースダウン(利上げストップ、利下げ)方向の情報が出れば株価は上がり、それが否定されたり利上げに対して強気な発言が観測されれば株価は下がります。
後から見た時に、「2015~2016年ごろと同じような調整期間だった」と言えればいいですが、長短金利差の逆転も見られ始め、本格的な景気後退局面も視野に入れておかなければなりません。
金利と株価の話
金利が上がると2つの意味で株価は下がります。
- 相対的に株の利回りが低下するので売られる→株価下落
- 金利上昇は企業の金利負担が増すので投資が鈍る→業績の鈍化懸念→株価下落
今のところ米国の景気は好調ですので、行き過ぎたバブルを作らせないためには金利を上げていくのが正解です。
しかしどこかで不景気に転換しますから、そうなったら今度は金利を下げていくことになります。
幸い、米国は既にある程度は金利が上昇していますから、ここから景気悪化となっても金利を下げる余地が残されています。
一方の日本は、このタイミングで景気が悪くなったらどうするんでしょうね。未だに政策金利は0.10%(米国は2.25%)と低いままですから下げる余地はほぼありません。
また、日本株の場合は為替も絡んでくるので厄介です。
- 米金利が上がる→円安→日本株が割安になるので買われる→日本株高
- 米金利が下がる→円高→日本株が割高になるので売られる→日本株安
これによる値動きもありますから、もうよく分かりません。
今後の株価はどうなる?
私は今のところ、本格的な景気後退が来ない限りはコツコツ上げてドカンと落ちる、を繰り返しながらもやや上昇傾向で推移していくと思っています。
貿易摩擦があろうが金利が上がろうが、景気さえ良ければ企業の業績は伸びていきますからね。
一方で景気がダメそうとなったら、悪いニュースもどこからか湧いてきて株価がボコボコになるのではないでしょうか。
米国の雇用統計を見てからまた考えようと思います。