配当金投資は配当金によるインカムゲインを主目的とした株式投資法の1つです。
当然、権利確定日に株を持っていなければ配当金は貰えませんが、できるだけ安く株を買いたい…安いタイミングを見計らって買いたいという気持ちもあります。
株を買わなければ配当金は貰えないが、今買って値下がりしたら悔しい。
そんな悩みに何らかの答えが出ればと思い、架空の銘柄で思考実験をしてみました。
前提条件
- 資金:100万円
- 購入対象:銘柄A
- 現在の株価:2,000円
- 年間配当金:80円(増減配はないものとする)
- 単元株数:100株
- 購入後は配当金を受け取りながら、株価×100株の資金がたまり次第、買い増しをする
シミュレーション1(株価2,000円→1,600円)
株価2,000円(配当利回り4%)で購入した場合と、株価1,600円(配当利回り5%)で購入した場合(タイミング別で3パターン)とを比較してみます。
いずれの場合も、購入後の株価はずっと1,600円であるとします。
また、購入後は配当金を受け取りながら、1,600円×100株=16万円以上の資金がたまった時点で買い増しをします。
このような条件で、4パターンの受け取り配当金額をシミュレーションしてみました。
経過 年数 |
2,000円 で購入 |
1,600円 で購入 |
翌年 1,600円 で購入 |
翌々年 1,600円 で購入 |
---|---|---|---|---|
1年 | 48,000 | 56,000 | 0 | 0 |
2年 | 48,000 | 56,000 | 56,000 | 0 |
3年 | 48,000 | 56,000 | 56,000 | 56,000 |
4年 | 48,000 | 64,000 | 56,000 | 56,000 |
5年 | 56,000 | 64,000 | 64,000 | 56,000 |
6年 | 56,000 | 72,000 | 64,000 | 64,000 |
7年 | 56,000 | 72,000 | 72,000 | 64,000 |
8年 | 64,000 | 80,000 | 72,000 | 72,000 |
9年 | 64,000 | 80,000 | 80,000 | 72,000 |
10年 | 72,000 | 88,000 | 80,000 | 80,000 |
合計 | 560,000 | 688,000 | 600,000 | 520,000 |
配当金の合計が最も多いのは、当然ながら最初の年に1,600円で購入できたパターンです。
最初の年に2,000円で購入するよりも20%以上高いパフォーマンスとなりました。
また、翌年まで株価が下がるのを待ってから購入した場合でも、最初の年に2,000円で購入するよりも多くの配当金を受け取ることができました。
そして、さすがに2年間も値下がりを待っているくらいなら最初の年に2,000円でもいいから購入しておいた方が良いという結果になっています。
シミュレーション2(株価2,000円→1,800円)
株価が2,000円から1,600円になるまで待つ(株価が20%下がるのを待つ、配当利回りが4%から5%になるのを待つ)というのは、状況によっては現実的ではないかもしれません。
そこで、2つ目のシミュレーションでは株価2,000円(配当利回り4%)で購入した場合と、株価1,800円(配当利回り4.44%)で購入した場合(タイミング別で3パターン)とを比較してみます。
経過年数 | 2,000円 で購入 |
1,800円 で購入 |
翌年 1,800円 で購入 |
翌々年 1,800円 で購入 |
---|---|---|---|---|
1年 | 48,000 | 48,000 | 0 | 0 |
2年 | 48,000 | 48,000 | 48,000 | 0 |
3年 | 48,000 | 56,000 | 48,000 | 48,000 |
4年 | 48,000 | 56,000 | 56,000 | 48,000 |
5年 | 56,000 | 56,000 | 56,000 | 56,000 |
6年 | 56,000 | 64,000 | 56,000 | 56,000 |
7年 | 56,000 | 64,000 | 64,000 | 56,000 |
8年 | 64,000 | 64,000 | 64,000 | 64,000 |
9年 | 64,000 | 72,000 | 64,000 | 64,000 |
10年 | 64,000 | 72,000 | 72,000 | 64,000 |
合計 | 552,000 | 600,000 | 528,000 | 456,000 |
この場合も、配当金の合計が最も多いのは最初の年に1,800円で購入できたパターンです。
含み損を抱えることなく、2,000円で購入するよりも約10%多い配当金を受け取ることができています。
一方、翌年・翌々年に1,800円で買った場合はというと、最初の年に2,000円で買った場合よりも配当金が少なくなっています。
下値余地がどのくらいあるかが1つの判断材料
今回のシミュレーションから、
- 株価が現状よりも20%下がりそうなら2年待つのもあり
- 株価が現状よりも10%下がりそうなら1年待つのもあり(2年以上待つのはイマイチ)
といったことが分かります。
今の株価から10%、20%下がるといくらなのか、そこまで下がる可能性は過去の株価や業績から考えてあり得そうなのか、を考えてみると良さそうです。
最後に
今回は待つ方に有利な条件でシミュレーションを行いましたが、
- 待っている間に株価が上がってしまう
- 1年たっても株価が下がらない
なんてケースももちろんあるわけです。
そう考えると、自分が納得できる利回りならその時点で買ってしまうのが賢明な気もします。
買った後に株価が下がったとしても、買ったときの利回りで配当金は貰えるわけですし。
というわけで、株価が下がるのを待てない私の言い訳記事でした…。